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10. 8

すっかり暗くなった部屋のベッドの上で 向き合って抱き合い、そっと口を重ねて お互いの気持ちを確認しあうみたいにキスをした。 俺が千里の紅い下唇を吸うと 今度は千里が俺の唇にゆっくり吸い付く。 舌を出せば千里も同じように舌を伸ばして 先端を舐めあった。 手は、すっかり固くなったお互いのモノを もどかしいくらいの優しい動きで、下着の上から 撫であって、足を絡ませる。 「……手、入れていい?」 千里が声にならないほど小さな声で聞いてきて 俺は答える変わりに、千里の下着の中に手を 突っ込んだ。 「…んっ!」 千里が目をぎゅっと閉じて、俺を握っていた手の 動きを止めた。 俺は片手で下着をずらして、止まってしまった 千里の腕を掴んでもう一度俺を握らせる。 首に引っ掻けるようにして扱くと 千里がハッハッと短く呼吸して、俺を握る手が 何度も止まる。 先走りを塗り込めるみたいに尖端の窪みに グリグリ指を押し込むようにして刺激すると 慌てて俺の腕を止めた。 「…ヤバい!」 「なにが、いいよ。出して」 俺は千里の手を振り払うように スピードを上げて上下させた。 「ぁ…ぁあっ…っ!」 千里が熱を放って、俺の腹まで暖かい液がかかる。 片手を伸ばして部屋にあったティッシュを 取って拭きつつ、最後まで絞り出した。 方針状態で仰向けになった千里の横に同じように 寝転ぶ。 千里が胸を上下させて呼吸するのを横目で見ながら 俺は下着を履き直して、短パンも上げた。 「クソー…負けた」 千里が顔を手で覆って悔しそうにこぼした。 「はは、実技は俺の勝ちだな」 「晃太、上手すぎ」 「千里が溜まりすぎだったんだろ」 暗い部屋の中で手探りで脱いだTシャツを探す。 最初に掴んだのは千里の脱いだ物だったから 千里の腹に上にそれを置いた。 「……おしまい?」 千里がその服を握って聞いてきた。 「とりあえずスッキリしただろ そもそも千里ローションとかゴムとか 持ってんの?俺はいつも相手任せだから 持ってないよ」

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