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それから俺の奇妙な二股交際が始まった。 とはいえ、タロウが人間の体でいる時に 外で会う事は殆んどなくなり、マンションに 行くときには今まで以上に人目を気にするように なった。 そうなると俺以外の人からすれば、タロウは 居ないようなものだから、はたして二股と 言えるかどうか…。 千里ともあれから特に関係が変わった訳ではない。 普段は、ただ仲の良い友達で、キスしたり お互いの気持ちいい所を触ったりしても それ以上に関係は進まなかった。 理由の1つは、ヤる場所の問題だ。 千里の家でやろうにも、家族が留守じゃなければ 俺達はとてもそんなに気分になれない。 繊細なハートを持ったかわいい高校生だった。 弟と相部屋の俺の家なんて、問題外だ。 千里は、真面目でお坊っちゃまで純粋な童貞で アオカンなんて考えもしないだろうし、 ラブホなんて汚らわしい所なんて行こうとも 思わないだろう。 そして、真面目でお坊っちゃまで純粋な童貞は あんなとこにアレを突っ込むなんて行為は とんでもなく高いハードルだと感じているに 違いない。 千里は俺が動いてくれるのを待ってたのかも しれないけど、俺から先を促そうとは1ミリも 思わなかった。 そもそも、あの日、記憶は消せると思ってたから 千里を受け入れたんだから。 そんなわけで、俺たちの関係は夏休みの間 大して変わることはなかった。

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