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「俺千里のそういうとこ好きだよ」 「好きとか簡単に言うなバカ」 「ごめ…」 「その相手にもそんな調子で好きとか 言ってんの?」 「……言ってないかも」 「…へぇ 意外だな…」 「なんだそれ」 「晃太ってあざといって言うか、ツンデレって いうか…突然人が思ってもみない事を言ったり やったりして、相手を自分のペースにまきこむの 得意だからさ」 「それ誉めてんの?けなしてんの?」 千里は、どうだろね、と笑いながら携帯を見た。 「…そろそろ帰る?」 「………ん、そうだね」 残ったドリンクを飲んで、立ち上がった。 「晃太…」 「…ん?」 「話してくれてありがと…」 「………」 「応援…はしないけど…」 「ははは、そりゃそうだ」 「……俺たち…大丈夫だよな?」 「え?」 「中学の時…晃太、俺から距離置いてただろ あんな風に、もう、なりたくないんだ」 あの頃…俺が勝手に意識して お坊ちゃんの千里とは、釣り合わないと… あえて他の友達とばかり遊んでた。 千里も自然に離れて行った気がしてたけど そうじゃなかったんだ…。 俺の方が離れて行ったから、黙ってそれを 受け入れてくれたんだ。 「千里がいいなら…これからも…友達でいて…」 それを聞いた千里はニヤっと笑って、俺の肩に 腕を回した。 「しょうがないな、じゃぁ友達でいてやるよ」 千里が本当に納得したかは分からなかったけど 納得した事にしてくれた。 今まで通り友達でいようとしてくれるのは 千里の優しさだろう…。 それに気づけるくらいには成長したんだ。

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