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俺を抱き上げるようにして、ズルッと自分を 引き抜いて、そのままベッドに二人で倒れた。 「…ゴメンってば、本気でそんな事思ってないけど そういう事があっても、おかしくないかなって 思っただけだよ」 「…俺、晃太としか こんな面倒なこと したくならない…」 「面倒?」 「エッチはさ、体なんて無くても俺は十分 気持ちいいんだ。 でも晃太はあった方がヤりやすいでしょ? こんなマンションだっていらない。 根回しいろいろ面倒だし…。 でも毎回ホテルとかだと、どこで誰が見てるか 分からないって、晃太気にしてたから… いつでも時間も人目も気にしないで会えるとこ あった方がいいって思って…」 タロウが1人ごとでも言うように 止めどなく恨み言を溢し続けた。 「そもそも呼び出しいつでもOKなんて 他に相手が居たら言えないでしょ?」 「タロウ、分かったから… 変な事言っちゃってゴメン」 「本当に分かってる?」 俺は何度もウンウン頷いた。 「…俺がどれだけ…晃太を…」 言って、きゅっと唇を噛む。 「ゴメンってば…」 タロウの胸に顔を埋めてぎゅっと抱きつくと タロウもそっと俺の腰に腕をまきつけた。 ー よかった…機嫌なおった…? 「…もっとぎゅってして」 俺に言われるまま、タロウが腕に力を 込める。 心地よい圧迫感の中、目を閉じた。 「……でもタロウ…本当にいいの?」 「何の話し?」 「さっさと死神やめたいんじゃない? 俺の為に時間使って…もったいない…」 「もう記憶がないくらい昔から死神だし いまさら数十年延びるくらい…大した事ない」 「俺の方が先にあきちゃったりして… 他に好きな人ができて、タロウの事なんて ほったらかしにするようになったりしたら?」 「引き止めたくせに、ひっどいな…それ」 言いながらタロウがクスクス笑った。 俺の背中をスルスル撫でながら。 「前も言ったけどそれはそれでいいんだ。 晃太は生きてるんだから。生きてる相手と 幸せになるのが一番なんだよ」

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