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「…っていうか俺たちが付き合ってるテイの 話し方、ヤメテ」 「例えだろ、た・と・え!」 千里が顔を赤くして、あわてて紅茶を飲んだ。 千里の言いたい事は当然分かる 転勤の話しだと思ってる千里が、そんな事を 言い出すのも無理ない。 でも実際のタロウは海外に行くわけではない。 行ったらもう、戻って来ない…。 「それにしても…晃太ってそんな事言う タイプだったんだ。意外 恋愛すると人って変わるんだ…」 「…そうだな…俺もビックリしてる…」 「…晃太…ひょっとして後悔してるんじゃない?」 「…え?」 「ひき止めるような事言っちゃってさ 本当は行かせてあげたいんじゃない?」 「………」 「……まぁ単純じゃないのは分かるよ」 さっきまでキツかった千里の口調が、急に トーンダウンした。 俺の顔色が変わった事に気づいたんだ。 図星を指されて。 「ま、決めるのは二人だから、俺があれこれ 口出すのもなんなんだけどね」 「いや、ありがとう…」 笑顔で返して、机の荷物を片付け始めた。 「今日は全然 勉強って気分じゃないから帰る」 「うん……あ、晃太…実は話したいことが あったんだ」 「ん?」 「これ、…」 千里がパソコンディスクの上の、荒れた本立ての スペースから、ガサゴソ何やら出して来て 俺の前に投げ捨てた。 「何?パンフレット?」 「うん、大学の」 「…だね。何なの?千里が行くとこ?」 「一緒に受けたいなって思って」 「は?」 「奨学金の制度とかもあるし、1度だけちょっと 考えてみてよ。まだ先の話しだけど、本当に やる気なら、少しでも早く準備が必要だから 早いとは思うけど、言っとくよ」 「いきなり何言い出してんの? 無理だよ」 「まぁまぁ、見るだけでもいいから」 千里は強引に俺のバックに、大学のパンフレットを ねじ込んで、ニッと笑った。

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