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「何でそんな事知ってるの?」 俺は驚いてタロウの顔を見上げた。 「暇だからね~ 最近は千里君の事も 良く見てるんだ」 「ストーカーだな」 「別に悪さはしてないよ~ でも千里君見てると、死神でも切なくなるんだ 晃太が思ってるよりも、ずっとずっと 悩んで、苦しんでる。かわいそう… 俺が言える事じゃないけどさ」 「…苦しんでる?何で?」 「うーん…それは俺が言ったらダメな気がする 気になるなら本人に聞いてみたら?」 「なんだよそれ…」 その日は眠るまで胸のドキドキが止まらなかった。 タロウの事、千里の事… 考え出したら止まらなくて、夢なのか現実なのか 分からなくなっても朝まで続いた。 ー 俺は…どうしたらいいんだ… ・ ・ ・ タロウから千里の話を聞いてから、小さな事も 気にして千里の様子を見ていたけれど、特に 悩んでるような姿は見つからなかった。 タロウの言ってた事が信じられなくなるほど 千里は普通の友人になっていた。 学校では気づくと一緒にいて、時々休みの日も 勉強したり遊んだり…。 だいたい、いつも笑顔で、元気無さそうだったり 落ち込んでたりしたら、何か悩んでるの?と 声もかけやすかっただろうけど、そんな素振りは 全く見せなかった。 そんな日々が続いてた時だった。 「彼女できた」 「へ?」 クリスマスを目前にしたある日 唐突に千里から告白された。 「え、誰?ってゆうか好きな子いたの?」 「同じ塾の子。告白されて…まぁ嫌いでもないし 付き合ってみてもいいかなって思ってさ」 「へ、へぇ…」 驚いて思考が停止した。 俺は千里の部屋でマンガを読んでた。 「え、どんな子?写真ないの?」 俺が聞くと、千里が携帯の画面を見せてくる。 そこには、千里と頬を寄せ合って写る女子の姿。 頬に被る長めの黒髪と、大きな目が 印象的な、綺麗というよりは可愛い女子だった。

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