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22. もう少しだけ ※

いつも土曜日に会うときは、だいたい 俺のバイトの後だった。 でも、今日はもっと一緒にいたいから休んで と、ねだられた。 そんなワガママ珍しいな…、なんて思いながらも 一緒にいたいと言われて悪い気はせず そんなに頻繁にあることでもないし、と 仮病でバイトを休んだ。 昼過ぎにタロウのマンションを訪れ、 まだ明るい時間から何度もやった。 お互いに誘って誘われて…。 服を着るのも面倒で、タロウお気に入りの ガウンで過ごした。 夕方にうつらうつらと眠くなり 二人でくっついて眠ってしまった。 「晃太、もうすぐピザ来るよ 起きて」 タロウに起こされた時には部屋は真っ暗だった。 「…ん、ごめん…何時?」 「もうすぐ8時」 「んー…」 伸びをしながら起きあがると タロウが頬や首筋にキスを落とす。 「くすぐったい」 「寝癖かわいいんだもん」 「なおして」 俺が言うとニッコリ笑って俺の頭を撫で回す。 「なおんない」 「だろうね」 ピンポーンとインターホンの音が鳴ってピザが 届いた。 ピザにパスタに、始めて俺たちがエッチした時と 同じメニューだ。 と、言っても、タロウとここで過ごすときは 何度か食べたメニューだけど…。 「今日はどうしたの?なんかご機嫌だね」 「そう?俺、晃太と会うときはいつも ご機嫌だったけど?」 「…まぁそうか」 デカいピザを口に詰め込むと タロウは笑った。 「ピザも好きだけどピザを食べてる 晃太を見るのも好きなんだ」 コーラをグラス一杯注いで 俺の前に差し出す。 ありがと、とモゴモゴしながら言って コーラを流し込んだ。 「晃太とエッチするために人間の体になって 色んな事を知ったよ。 炭酸を飲むと痛いとか、コースターでお腹が フワッとするとか…」 「また、行こうな。もっとコースターが いっぱいあるとこ。ちょっと遠いけど」 「……苦手なクセに」 タロウは笑いながら、空になったピザの入れ物を 片付けた。

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