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22. 6

「タロウ……きもちぃ……んんっ」 「う、うん…きもちいぃ」 このままひとつに溶けちゃえばいいのに。 そしたらずっと一緒にいられるのに。 タロウが片手を俺の胸の尖端を優しく弄び するりとみぞおちに滑らせる。 「…いつか、生まれ変わって会えたらさ 今度は俺、千里くんに負けないよ」 飛びかけてた意識が一気に自分の真ん中に 戻って来た気がした。 タロウの手がなぞった所にあるのは 千里が残した跡だ。 「今度はさ、誰にも譲ったりしないからさ」 ふんわり笑いながらつぶやく その優しい声を聞いたら、ワッと声をあげて 泣き出したくなった。 両腕を顔の前で組んでそれをこらえる。 「晃太!? ごめんっ! 意地悪で言ったんじゃないからっ…」 顔を腕で覆ったまま首を振った。 「……わかってる」 それだけ言うのがやっとだった。 タロウが俺の肘に手を置いて 優しくほどこうとする。 「まだ 無理!」 俺がそれを拒否するとタロウがフッと 笑ったのが分かった。 「じゃぁそのままでいいよ! もっと泣かせちゃうから」 そう言うと俺の事はお構いなしに 腰の動きを再開する。 「……ァッ」 思わず声が漏れた。 さっきとは、うって変わって ちょっと乱暴なほど、早く激しく俺を責める。 「…こうたっ……タロウって呼んでっ…」 「ぅ……ン!…ンン」 下半身に熱が集まっていく タロウの質量が増していくのを感じる。 「はっ ……っぁ…タロウ !」 「こうたっ…!」 ナカの奥の奥にタロウの熱いものが 放たれたのが分かった。 じわじわ暖かいものが染み込んでいくように。 「はぁ、はぁ…」 俺も確かに絶頂をむかえたのに、何も出なかった。 俺の上に優しく被さってきた体に そっと腕を回して、震える体を抱き締める。 いや、震えてたのは俺かな? 入ったままのタロウをギュウギュウしめて いつまでもイッてるみたいだった。 「ダイスキ、晃太……」 「うん、俺も………大好きだよ…」 忘れないよ。 忘れないから。 俺にとっては、命をくれた天使だった。 エッチでかわいくて優しい天使。 怖かったモノから守ってくれる天使。 ずっと、ずっと忘れない。

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