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第6話

太陽は沈み、月も見えないほどの闇と雨が溶け込む中、優也は車を急いで走らせる。赤信号につかまるたびに焦燥感が募り、何度も電話をかけるが繋がらない。早く青葉に会いたかった。 その日は、優也にとっての師匠・青葉と2人で開催した落語二人会・初日だった。開演ギリギリまでバタバタした場面もあったが、ふたを開ければ満員札止め、拍手喝采で終わった。 しかし、関係者への挨拶がひと段落つく頃、気がつくと青葉がいない。所在確認のためにかけた電話も繋がらない。弟弟子に確認し、青葉は自宅に帰っていたことを優也はようやく知った。 寄席を飛び出し、青葉の自宅へと車を走らせていた。 優也は青葉の自宅に到着し、ドアホンを鳴らすがすぐに反応はない。モニターなどついておらず、対応する場合、家人が玄関まで向かう必要があることは優也も知っていたが、すぐに誰も反応しないことにすら苛立ってしまう。ドアホンを連打したい気持ちをグッと堪え待つ。気の遠くなるような十数秒後、玄関に現れたのは弟弟子・吉伍だった。躊躇いもなく押し退けて家に入る。 「師匠と話があるから誰も稽古場に近寄せんな!いいな!」 一切反論させない気迫で優也は言い切る。吉伍は驚きながらも頷くしかない。 普段、寄席が終わると青葉は自分の落語を稽古場でさらうことを優也は覚えていた。靴を脱ぎ捨て、稽古場へ急ぎ向かう。案の定、青葉は、いた。 事前の声かけもなく、不躾に部屋に入ってきた優也を青葉は一瞥すると、眉間に皺を寄せ、ため息をつく。顔を見たくもない、とでも言うように。 優也には意味が分からなかった。自分の苛立ちを押さえつけ、強張った笑顔で青葉に話しかける。 「何しているんですか?二人会のあとはうちに来るって約束じゃないですか。…行きましょう?」 約束。優也が落語二人会に出演する交換条件だった。青葉に長年片思いしていた優也は、落語二人会出演を利用して、肉体関係を持ち続け、そして青葉も絆され続けていた。 関係はもう半年以上経っていたため、優也にとって"いつもの1日"になるはずだった。 優也は青葉に触れようとする。しかし、その手を青葉ははねのける。 「あんな落語を人様によく見せられたものだ!」 青葉の目には怒りしかなかった。優也は驚き、青葉につられて声を荒げてしまう。 「"あんな"って。ちゃんとやったじゃないですか!」 「ちゃんと?あれは筋を読み上げただけのようなものだろう! 前座でも二ツ目でもなく、吉次は真打ちになったんだ!恥ずかしくないのか!?」 優也はすぐに言い返せない。 元々、青葉に一目惚れして弟子入りしていただけだったことに加えて、タレント活動が忙しく、正直、落語にはしばらく触れていなかった。 落語二人会も得意な演目でお茶を濁せる。そう思っていた。 「お客さんだって喜んでいたじゃないですか!それでいいでしょ!」 優也はどうにか取り繕うとするが。青葉は俯き、深くため息を吐く。 「そんな考えでやっていたのか?すぐに気づかれるに決まっているだろう。 なぜ真摯に落語に取り組めないんだ。 …もういい。二人会は中止しよう。その方が恥の上塗りにならず、お前の為にもなる。」 落語二人会を口実に青葉との関係を持ち続けていた優也にとって、落語二人会の中止は有り得ないことだった。頭の中が混乱する。衝動的に青葉を押し倒していた。 「そんなこと今更できるわけないでしょ? それに身体は俺を欲しがっているんじゃないんですか?」 優也はこんな卑劣なことをするつもりはなかった。しかし、それ以上にどんな手を使ってでも青葉が欲しかった。 「やめなさい!」 青葉は優也の体の下で暴れる。しかし体格的にも体力的にも差があり、組み敷かれてしまう。 それでも青葉の咎めるような強い瞳は変わらない。 青葉の口を無理やりこじ開けると、唇を重ね、舌を差し入れる。嫌がる、青葉のくぐもった声が聞こえるが、優也は黙殺した。吸い上げ、舌を絡ませようとする。首筋を撫で上げ、そのまま服の上から優しく肌を撫でる。しかし何一つ呼応することなく青葉は嫌がり続ける。嫌悪感しかない、とでも言うように。 …いつもと違う。 優也は戸惑った。これほどまでに拒まれるのは、無理やり犯した時以来だった。思い出したくもないし、思い出させたくもない。これ以上、強引に進める気になれなかった。 反抗をどうにか諦めさせることを考えるが、やはり卑劣な手しか思いつかなかった。 「あんまり暴れると俺たちの関係、バレちゃいますよ。」 青葉の耳元で囁く。これで大人しくなると優也は踏んでいた。 しかし、青葉は今までになく強い目を優也に向けた。目には涙が浮かぶ。 「構わない!!!言いたければ言えばいい!!!」 室外にも響くような青葉の声。 青葉の揺るがない拒絶反応に優也はどうすれば良いか分からず、体を引かざるをえなかった。 「約束、じゃないですか…」 視線を彷徨わせながら、優也は声を振り絞る。しかし、それ以上、言葉が見つからず続かない。 青葉は優也の腕の中から逃げ出すと、強い目を向ける。 「"あの時"、私は"落語を精進する"ことを条件に許した。 約束を守っていないのは吉次だろう!私との約束を守らないなら、吉次との約束を守るつもりもない!」 反射的に優也は青葉を睨むが何も反論が出来ない。しかし、青葉との関係を失いたくはなかった。 暫し俯くと、再び青葉に視線を向ける。叫びたい衝動に駆られるが、優也は出来る限り冷静さを装う。 「それじゃ、次は誰にも文句言わせない出来にします。それでいいでしょう?」 優也の言葉に青葉は黙って頷く。 行き場のない怒りを発散するかのように、優也は拳で壁を殴ると青葉宅を出た。 数日後、優也は青葉に会うため寄席にいた。 しかし楽屋には居づらく客席にいた。目深に帽子を被りマスクをし、最後列から青葉の落語を見る。 上品さを常に漂わせているのに、同時に親しみやすさのある青葉の落語はいつ見ても好きだった。今は関係がギクシャクしているけど、何度見ても見惚れてしまう。 そして、青葉の全てが欲しくなる。自然と生唾を飲み込む。 高座を降りた瞬間を見計らい、優也は楽屋に向かった。青葉を捕まえると、優也は頭を下げる。 「次の二人会では新しい演目に挑戦したいので、稽古をつけていただきたいです」 落語に向き合う姿勢を見せたことに青葉は驚き、そして頬が緩む。 「演目は?」 「たちぎれ、です」 演目名を聞いて、青葉は一瞬戸惑う。 若旦那が芸者に一目惚れに、その芸者も若旦那を一途に想い続け死んでしまう噺。 まだ早いのではないかとは思うものの、同時に優也がどう高座にかけるかも見たかった。 「…分かった。時間がない分、稽古の時間は優先的に作るから。」 「ありがとうございます」 その会話を聞いていた周りは「出来るのか」「どんなものになるのか」と囃し立てる。優也は笑顔で一蹴した。 「納得のいく出来になるまで、寝なきゃいいんですよ。」 優也の目には確固たる強い意志が漲っていた。 それから、優也は時間を作っては青葉の元に通った。 久しぶりのためか、噺家としての勘を取り戻すことに時間がかかる。また、持ちネタをさらうにも時間がかかった。 それでも、やるしかなかった。 青葉に毎回叱咤され、悔しい思いながらも何度も稽古する。他の仕事を削るわけにもいかないので、睡眠時間は日増しに削られていく。 稽古を開始してから2週間ほど経った。青葉とは何度も稽古をしているが、肉体関係は持っていなかった。最初は我慢出来ていたものの、落語二人会が始まる前は毎週のように、時には週2回ペースで肉体関係を持っていたため、時間が経つごとに青葉が欲しい欲求が止まらない。 稽古終わり、睡眠不足で判断能力が鈍ったか、とうとう堪らず、優也は青葉に抱きついてしまった。 「俺、もう3週間も我慢しているんです。1回だけでいいから、ヤラしてくださいよ。」 優也は囁く。青葉は一息吐くと俯いた。 「そんな時間があったら今は少しでも稽古するべきだろう」 けんもほろろに、青葉は優也の手を解こうとする。 しかし、優也はかえって抱きしめる腕に力を込めた。 「…分かりました。 でも、次の二人会で落語が文句ない出来だったら、なんでも言うこと聞いてもらいます。 俺、フラストレーション相当溜まっていますから。めちゃくちゃにしますから。」 苛立ちを抑えたような低い声で言うと、優也は部屋を飛び出していった。 青葉は黙って見送る。 ただ、青葉も優也と変わらない。欲求は溜まっていた。 落語二人会初めての日は、優也が披露した落語の不甲斐なさへの怒りしかなく、拒むことができた。しかし、先ほど抱きつかれた時は心が揺らいだ。「1回ぐらいなら…」と一瞬、心をよぎるほどだった。結局、理性が打ち勝ち、優也を軽くあしらうことが出来たが、体の芯が疼き出していた。 優也に抱きしめられた感触が肌から取れず、優也の服に染み付いた外国製タバコの匂いが鼻の奥にこびりついてるようだった。 吉伍に人払いさせると、落語のCDを音量大きくして流す。そして、先ほどまで優也が座っていた座布団に顔をゆっくり埋め、深呼吸した。僅かでも残り香がないか確認するように。そのまま体を重ねた今までのことを思い出していた。 座布団に顔を埋めたまま、青葉はボトムスと一緒に下着を一気に下ろすと、躊躇うことなくアナルに指を差し入れ、指をゆっくり動かし性感帯を探す。探し当てた性感帯に触れた途端、微かに青葉の体が震える。 「吉次…」 青葉は優也の指の動きを思い出しながら、性感帯を擦ったり軽く叩き、刺激を小刻みに与え始めた。どんどん息は荒くなり、体も小さく震え出す。あっという間に陰茎が頭をもたげ、涎を垂らし始めた。 …なんでも言うこと聞かされる。めちゃくちゃにされる。 先ほどの優也の言葉が青葉の脳内でリフレインしていた。何をされるか分からない。が、今までのことを考えたら、きっと激しく責められるのだろう。苦痛から得られる興奮と解放される快楽に身体を慣らされてしまった青葉は昂ぶっていた。 気付けば、青葉の指は激しくピストンしていた。指をギリギリまで引き抜くと一気に奥深く差し込む。腰も物欲しそうに前後している。荒い呼吸も止まらず、何度も唾を飲み込んでいた。しかし、青葉の眉間には皺が寄っていた。 …足りないっ! 指では全く物足りなかった。太さも長さも。優也のことを思い出せば思い出すほど、切なくなる。そして、涙が出てくる。 「んぅっっっ!!!」 仕方なく、陰茎に自ら直接刺激を与えると、体を震わせ果てた。しかし、体の疼きは収まったが、満足感は無い。 「…吉次が欲しい。」 涙目のまま、青葉は無意識にそう呟いていた。そして、その声も落語の音にかき消された。 落語二人会2回目の日を迎えた。 優也の顔には笑顔が張り付いているものの、全く余裕がなかった。青葉が納得しない落語をすれば、触れられない日々がさらに続く。そう思うだけで苛立ち、目に入るもの全てに八つ当たりしそうになる。客入りや客層もどうでも良かった。青葉が満足するよう、睡眠時間を削って精度を上げた落語を見せるだけだった。 結果、拍手喝采で幕が下りた。しかし、優也にとって肝心なのは青葉の評価。我慢できず、幕が下りた直後、冷静さをできる限り装いつつ、普段使われていない部屋に青葉を連れ込んだ。 「俺の落語、どうでした?」 優也の問いかけに青葉は笑顔を見せた。 「良かったよ。特にサゲまでの…」 青葉が笑顔を見せた時点で優也のタガが外れ、青葉が言葉を言い終わらないうちに抱きしめていた。 「吉次っ!」 「今、2人っきりなんですから、本名で呼んでくださいよ。…今日、いいってことですよね?」 「…あぁ、分かっている。だから離しなさい。」 優也は青葉を解放する気はなかった。腕の中から逃れようとする青葉の顔を持ち上げると唇を重ねた。 「吉次っ!人に見られるっ!」 反射的に青葉は顔を逸らす。普段使われていない部屋とはいえ、壁一枚隔てた先には人がいるような話し声や物音が室内へと常に響いていた。 「だから、名前が違いますって」 優也の暴走は止まらない。強引に顔を正対に戻すと再び唇を重ねた。貪るような口付けで久しぶりの青葉の唇を楽しむと、指を差し込み無理やりこじ開け、舌を差し込む。 最初は抵抗していたものの、青葉にとっても数週間ぶりの快感は強烈なインパクトがあった。あっさりと快楽に刈り取られ、自ら進んで舌を差し出していた。両手は優也の腕にしがみついている。 従順になった青葉に優也は薄く笑うと、青葉の全身を優しく撫で上げ、これから行われることを嫌でも想像するよう導く。特に臀部を強く揉みしだくと、青葉は上擦った甘い声を上げ、小刻みに腰を震わせる。ねちゃねちゃと舌が絡む卑猥な音がさらに神経を麻痺させていた。 2人がいないと楽屋が騒ぎ始め、いつ部屋に誰かが入ってきてもおかしくない状況だったが、互いの唾液で糸を引くほど夢中になっていた。 しかし、2人を探す声がどんどん大きくなるにつれ、強制的に理性が引き戻された。名残惜しそうに青葉は優也の腕から離れる。 「早く締めて、家に行こう。」 「…あぁ。今日はホテルです。たまにはいいですよね?」 青葉は驚く顔を見せるが、優也は薄く笑ったまま表情を変えることはなかった。 「次回公演の打ち合わせをしていた」などと言い訳をしつつ、2人は楽屋に戻る。関係者への挨拶もそこそこに、三本締めで終わらせると早々に着替え、会場を後にした。 青葉は「打ち上げと次回公演の打ち合わせで泊まりになるかもしれない」と妻に言い残して。 空に雲が広がり、月明かりも届かないほどの暗闇の中、ホテルに到着した。 動揺を隠さない、不安げな顔をした青葉をよそに優也はチェックインすると、青葉の腕を掴んだまま部屋に入る。入室するとすぐにベッドへ青葉を押しやる。  「皺がつくと後々面倒なんで、服、全部脱いでください。」 笑顔でこともなげに言う優也とは対照的に青葉は緊張した顔で部屋中を見回す。青葉はシティホテルだと思い込んでいたが、着いた場所はラブホテルで、しかもSM仕様の部屋だった。部屋を見渡すほど緊張で身体が強張る。シャツのボタンを外す青葉の指は震えていた。 緊張し、脱衣にもたついている青葉の姿にさえ優也は欲情してしまう。早く触れたい気持ちが止まらない。青葉の服を受け取るとハンガーにかけるが、同時並行で枷を準備していく。 全裸になった青葉を背後から抱きしめるように優也は座ると、青葉の緊張をほぐすように肌を優しく撫でる。そして、顔を持ち上げると食むような口付けをする。青葉も自分の中の不安を少しでもかき消そうと呼応した。素直な青葉に優也は含み笑いをする。 「右手、上げてください」 言われるがまま青葉は右手を持ち上げると、まるで青葉自身に見せつけるかのように、優也は青葉の手首へ手枷をつける。手枷には短い鎖が繋がっており、動くだけで鎖の擦れる金属音が響いた。同様に、左手首・右足首・左足首と枷を一つずつつけていく。 青葉は抵抗しない。ただ、緊張なのか、呼吸が早くなり始めていた。 「これ、青葉さんに似合うと思うんですよね」 優也が取り出したのは首輪だった。ネックレスのような細さでは無く、肉厚な皮で出来た、大型犬がつけているような黒い首輪。動揺し顔を逸らす青葉に優也は笑いながら、首輪を手際良く取り付ける。首輪にも鎖がついており、動くだけで音を立てる。 青葉はやはり抵抗しなかった。 全てを取り付けると、うつ伏せになるよう、強引に青葉をベッドに押し付けた。青葉は驚きつつも身じろぎしない。優也は、贅肉のない青葉の背中をゆっくり撫でる。 「もう1ヶ月以上経つから分かっていたことですけど。 跡、消えちゃっていますね。この体は俺のものだって目印つけていたのに。」 そう言うと、優也は青葉の背中に爪を立て、力任せにゆっくりと、ミミズ腫れを作るかのように引っ掻く。青葉は体を強張らせ、シーツを強く握りしめた。同時に眉間に皺を寄せながら声を飲み込み耐える。 「…あぁ。ここは残っていた。」 青葉の脇腹に、治りかけの傷跡を優也は見つけた。躊躇うことなく、傷跡を抉るかのように爪を立てた。 「っ…いっ…!」 痛みで堪らず声を上げる青葉。 しかし優也は動じない。何度も爪を立てる。当然のように傷跡は広がり、血が流れ出す。 「跡は分かりやすくしないと。」 優也は満足そうに血を舌で舐めとると、青葉の身体が僅かに震える。 「あぁ。こっちも跡が消えているのか。」 優也は青葉の臀部を優しく撫でる。 「まず、この身体は誰のものか、ちゃんと目印をつけないといけないですね。 …ベッドから降りてください」 青葉はベッドから降りると優也に促されるまま両膝を床につく。優也の手には口枷とアイマスクがあった。 「口を開けてください。これで好きなだけ叫んで大丈夫ですから。 …俺のことだけ考えてくださいね。」 青葉は抵抗せず、口を開ける。優也は笑顔で口枷を青葉に取り付けた。口枷で息苦しいのか、それとも緊張しているのか、青葉の呼吸はさらに早くなっていた。最後にアイマスクをつけ、青葉の視界を奪った。視界が遮られる分、聴覚や肌の感覚が敏感になる。 右手首と右足首、左手首と左足首、それぞれの枷を優也は鎖で繋ぐ。青葉は跪いたまま立てない姿勢となった。 優也はムチを手に取る。 「姿勢、崩さないでくださいね」 言い終わらないうちに、遠慮なしに青葉の背中へムチを振り下ろした。空気を切り裂く音が聞こえたかと思うと、肌を刺すような鋭いムチの音が室内に響く。ほぼ同時にくぐもった声が青葉から上がり、身体が震える。身をよじったのか、鎖が擦れ合う音が響く。 優也は薄く笑い、繰り返しムチを振り下ろした。やがて青葉の背中に赤い跡が無数に浮かび上がる。 「ほら、姿勢を崩しちゃダメですよ」 終わりの見えない鞭打ちに、青葉は直立の姿勢を保てず、前のめりに俯いていた。優也は容赦なく首輪の鎖を引き上げ、強制的に青葉の姿勢を戻すと、またムチを振り落とそうとした。 しかし、ふと優也の手が止まる。 「あぁ、そうか。こっちにも跡つけて欲しかったんですね気づかずにすみません。」 優也は笑顔のまま鎖から手を離した。 青葉は突然放り出されたため、体のバランスを保てず、突っ伏すように床へ顔をつけた。そして、代わりに臀部が露わになる。優也は笑顔で今度は臀部へとムチを振り下ろした。無駄のない背中に比べ臀部は肉厚なためか、ムチ打つ音がより大きくなる。そして、新たな痛みに青葉の身体は大きく震え、くぐもった声も大きくなった。 優也はそんな青葉を見て興奮し、笑顔になる。容赦なく何度もムチを振り下ろし続けた。 「いやらしいなぁ」 青葉の耳元で優也はわざと囁く。 背中に続き、青葉の臀部にも無数の赤い跡がつき始めていたが、同時に青葉の股間から覗く陰茎がゆるゆると首をもたげ始めていることに優也は気づいた。軽く触れると青葉の身体は震える。 青葉は呼吸を小刻みに繰り返し、閉じることが許されない口からは唾液が絶え間なくダラダラと漏れていた。 「やっぱりムチで打たれることが気持ちいいんですね。 …1ヶ月以上焦らされた分、待ち遠しかったでしょ?」 クスクス笑いながら優也はペニスリングをバッグから取り出す。首輪の鎖を強引に引き上げ、青葉の姿勢を垂直にさせると、青葉の陰茎の根元と先端にペニスリングを装着する。カウパー液でテラテラと怪しげに光り出す。 「俺が良いって言うまで勝手にイっちゃダメですよ」 優也は含み笑いのまま、青葉の陰茎の裏筋をゆっくり指の腹でなぞり上げる。その刺激に素直に反応し、陰茎は自己主張するかのようにそそり立った。青葉の腰が小刻みに震え始める。 「んー、俺も気持ちよくなりたいかなー。ちょっと待ってくださいね」 優しく青葉の髪を撫でると自分のバッグを漁り、準備をし始める。 ガサゴソと聞こえるいろんな物音に青葉を緊張と興奮を感じるのか、呼吸が荒いままだ。 「腰、上げてください」 優也に言われるがまま、両手両足を拘束している鎖がピンと張るまで青葉は腰を上げる。 優也は青葉のアナルの位置を確認しながら、ローションを塗ったディルドーを下に置く。吸盤付きのためディルドーは倒れることはない。  ムチ打たれた臀部を優也はわざと乱暴に揉みしだく。痛みと快楽を同時に与えられ、青葉は全身を震わせ声を上げる。足もカタカタと震え、姿勢を維持しきれず腰を落とすが、そこにはディルドーが待ち受けていた。ズブズブと抵抗なくアナルがディルドー全てを飲み込む。まるで喜んでいるかのように青葉の臀部は筋肉を大きく震わせた。顔は天を仰ぎ、深く息を吐く。 「休んでないで、腰を動かしてください」 優也が青葉の臀部を強めに叩くと、戸惑うこともなく、青葉は腰を上下にゆっくりと動かし始める。ディルドーがアナル内でローションをかき混ぜるグチュグチュとした微かな音、鎖が擦れ合う音、そして青葉の甘く上擦った声が混じり合う。 「良い声で鳴き始めましたね」 うっすらと汗をかきはじめた青葉の胸を優也が撫でると、青葉の体は僅かに震えた。 優也の独占欲、加虐心はどんどん膨らんでいく。 優也が青葉の口枷を外すと、新鮮な空気を求めるかのように、青葉は大きく口を開けたまま荒く呼吸を繰り返す。 優也は青葉と向かい合うように膝をつくと、その唇を塞ぐかのように唇を重ねた。そのまま青葉の舌を舐め、絡める。青葉も自然と受け入れ呼応する。優也は頬を緩めると、青葉の臀部を両手で持つ。何度か乱暴に揉みしだくと、優也の手に腰が震えが伝わってくる。唇の隙間から吐息が漏れる。 優也は両手に力を込めると、青葉の腰の動きを早くするよう突然、強引に促し始めた。緩慢な快楽を貪っていた青葉は、急激で強い快楽に驚くが、その強い快感にも酔い、上擦った声が大きくなる。そして、さらに快楽が欲しがるかのように優也の唇を求め、舌を出す。 しかし、優也は身体をひいた。 「このくらいのスピードで動いてください」 「…ゆう…やぁ…」 青葉は名残惜しそうに声を出すが、項垂れながら従うしかなかった。 切なげに腰の動きを早める。青葉の甘く上擦った声や鎖の擦れ合う音が大きくなる。 優也は青葉の顔を持ち上げると、物欲しそうな青葉の口に新しい口枷をつける。先ほどまでの口枷とは違い、口を塞ぐ部分がリングになっており、口の中が丸見えだった。優也は青葉の頬を優しく撫でる。 「イラマチオ、覚えて欲しいんですよねー」 優也は青葉の後頭部に手を添えると、青葉の口の中に自分の陰茎を差し入れ、ゆっくり前後させ始める。青葉の痴態を見て既に興奮していたものの、青葉の口内で優也の陰茎はさらに勃起していく。 そのため、最初は良かったものの、青葉の口内は次第に圧迫され、何度も喉の奥が刺激される。結果、何度も反射的に顔を反らしては俯き、肩で息をしながらゲホゲホと吐く。 その度に、優也は首輪の鎖を引き上げる。 「俺の動きに呼吸を合わせてください。角度とか場所も良いところ、あるでしょ?」 どんなに青葉が苦しそうにしても、優也は止めるつもりはない。何度でも口内に入れるとゆっくりピストンする。最初は浅く、そして少しずつ喉奥深く。青葉は必死にピストンに合わせて呼吸をし、どうすれば楽なのか舌や喉の位置を覚えていく。 少しずつ青葉が慣れ始めてきた頃。ふと優也は動きを止める。 「青葉さん、腰の動きが止まってますよ」 しかし、青葉はくぐもった声を上げ、首を僅かに横に振るだけで腰を動かさない。 青葉の下半身を覗き込んだ優也は思わず笑ってしまう。 「ディルドーを飲み込むなんて本当にいやらしいなぁ」 何かの拍子でディルドーの吸盤が外れたのか、優也が言うようにディルドーに食らいついて離さなかったのか。ディルドーはアナルに差し込まれたままになっていた。青葉は腰をゆるゆると所在無さげに動かすばかり。 淫らな姿の青葉の姿に優也は笑いつつも、さらに追い詰めたい衝動に駆られる。 「ちょっと待ってくださいね。予備を持ってきて良かった。」 優也は一回り以上太いディルドーをバッグから取り出すとローションをつける。 「腰、上げてください」 青葉は震える足で再び腰を上げる。優也は青葉のアナルに深く刺さったディルドーを躊躇うこともなく一気に引き抜いた。青葉の体は震え、そしてアナルは物欲しげに蠢いている。優也は含み笑いをしつつ、新しいディルドーを同じ位置に置き、吸盤が取れないよう、しっかり押さえつける。 「青葉さん、腰を下ろしていいですよ」 青葉は似たような形状だと思っていたのだろう。しかし、ディルドーの先端を受け入れた時に大きさが違うことに気づいた。動きが止まり、無理だと首を横に振る。 優也はため息をつく。 「何しているんです、ほら。」 優也は青葉の肩を掴むと強引に真下に押した。アナルがディルドーを深く飲み込んでいくと同時に、青葉は身体を反らし、言葉にならない大きな声を上げた。青葉の身体が大きく震え、両手両足を拘束している鎖もガチャガチャと音を立てる。 しかし、陰茎はそそり勃ったままだった。優也の興奮は止まらない。 「腰、動かしてください」 青葉は震える体でゆっくりと上下に動き始めると、ニチャニチャとした卑猥な音が微かに響く。ただ、動きはとても緩慢で小さい。 優也は軽くため息をつくと、青葉と向かい合うように膝をつく。そして、先ほどと同じように臀部に両手を添える。 「青葉さん、ここまで腰を上げて…」 優也はディルドーの先端ギリギリまで青葉が腰を上げるよう強引に誘導する。 「そして、一気に落としてください」 優也が両手を離すと、バランスを失った青葉は腰を落とし、ディルドーを一気にアナル奥深く咥えた。青葉はまた声を上げ、全身は大きく震える。 「ちゃんとやるまで見てますから。」 優也の低く落ち着いた、拒否を許さない声。青葉は観念し、自ら腰を動かし始める。アナルの皺が伸びて無くなるほど太いディルドーが、密着しているアナル内壁をめくれさせるかのように出てきたかと思うと、ズブズブと奥深くまで一気に犯す光景はひどく卑猥だった。 最初は抵抗していたものの、少しずつ慣れてきたのか、青葉も上擦った声を出し始めていた。 優也は薄く笑い、そして加虐心は加速する。バッグの中から洗濯バサミを取り出す。 「それと、これ、オマケです。」 優也は嬉しそうに、鈴のついた洗濯バサミを青葉の乳首に噛ませた。 突然の、そして大きな痛みに驚き、青葉は大きな声を上げ、前のめりにうずくまった。身体はビクビクと震え息は荒い。小刻みに何度も首を横に振り、乞うように何か声を出している。 「ほら、姿勢を崩さないでください」 優也は意に介さず、首輪の鎖を引き上げる。 青葉はどうにか身体を持ち上げるが、項垂れたまま荒い息を繰り返している。そして、閉じることのできない口からは唾液が止まることなく滴っている。 優也は青葉の後頭部に手を添え持ち上げる。 「…さあ、さっきの続きをしましょう。」 優也は舌舐めずりをすると、再び自分の陰茎を青葉の口に差し込み、ピストンし始めた。 青葉は全身を震わせながらも、言いつけ通り腰を動かし始める。腰を動かすたびに、乳首に噛ませた洗濯バサミにつけられている鈴が鳴り、部屋に響く。 青葉は喉奥を刺激されては何度もえずき、吐くことを繰り返した。しかし、やがて規則的なピストンの動きであれば、吐くことをもなく、慣れてきていた。 優也は熱い息を吐き、少しずつピストンの動きを早める。後頭部を持つ手にも力が入る。 絶頂が近いことは青葉にも伝わっているのだろう。嘔吐反射が起きて中断しないよう、口に集中してしまい、無意識に腰の動きが止まってしまった。しかし、鈴の音が止まったことに優也はすぐに気づく。 「青葉さん…、腰、とまってますよ。 今日は初めてだから優しくしているけど、そんなに最初から意地悪して欲しいんですか?」 そう、洗濯バサミは"オマケ"ではなかった。青葉が腰を動かすと再び鈴の音が響き出す。 優也は薄く笑うと、腰の動きを早めた。 「…もうっ…出しますっ」 優也は青葉の口の中で達し、吐き出す。 満足した優也が青葉から離れると、少しでも空気を欲しがるかのように肩で息をする。そして、脱力したかのように俯き、うずくまった。唾液と精液が混じり、床に落ちる。 優也は青葉の手足を拘束していた鎖、そして乳首に噛ませていた洗濯バサミを外し、上半身を抱き起こす。 「立ってください」 両肩を掴みながら立たせると、青葉は優也に寄りかかりながらも素直に従う。 優也は青葉を椅子に座らせた。もちろん施設の特質上、普通の椅子ではない。足は膝を立てた状態で大きく開いたまま固定され、両手も拘束される椅子だった。 青葉の両手首と両足首の枷を外し、代わりに椅子に拘束していく。青葉は何も抵抗しない。ただ、興奮しているのか緊張しているのか、再び息が荒くなっていた。 そして、陰茎は変わらずそそり立ち、刺激を求め続けていた。 「このままだと喉を痛めて落語に影響出るから、これでも噛んでください」 優也は口枷を外すと、代わりに手ぬぐいを適当に丸め、青葉の口に入れようとした。 が、直前に手を止まった。 「あ、さっきのご褒美、忘れてましたね」 優也は青葉の半開きになった唇を優しく撫でると、唇を重ね舌をゆるりと差し入れる。舌を舐めると青葉は呼応し、すんなりと舌を差し出してくる。そのまま舌をゆっくり絡めながら、優也は優しく青葉の肌を撫でる。腕から首、首から胸、胸から腹、腹から股間、と時には手のひら全体で、時には指先でくまなく優しく撫で上げる。青葉はどんどん息が荒くなる。 優也は顔を持ち上げると、独り言のようにつぶやく。 「新しいこと、やりたいんですよ。いいですよね。」 青葉の返事を聞くこともなく、優也は青葉の口に手ぬぐいを押し込んだ。 優也はローションを青葉の胸や腹、股間などに振りまくと、ゆっくりと丁寧に塗り広げる。ローション独特の粘着質の感触、優也の指使いに青葉の息はさらに上がり、胸が大きく上下している。 優也がまず取り出したのはバイブだった。先ほどまで極太のディルドーを加えていたため、青葉のアナルはだらしなく口を開いていた。バイブをいとも簡単に受け入れる。そのまま何度かピストンさせると青葉の身体は軽く震え、上擦った声を上げる。性感帯に当たる位置に置くとスイッチを入れた。強度は最も弱くしたが、それでも青葉の腰は揺れ出す。 次に取り出したのはロウソクだった。ロウソクに火をつけ、ゆっくりと回す。ロウソクの火を見つめる優也の目は、まるで人形のように感情は宿っていなかったが、口元は緩み、笑みを浮かべていた。 溶けた蝋が溜まったところで一気に青葉の胸や腹に撒き散らした。突然、刺すような熱い刺激を浴びた青葉は身体を上下左右に激しく動かし、言葉にならない声を上げた。 「ロウソク。青葉さんなら、すぐ気持ち良くなりますよ」 優也は笑いながら、止める気配はない。思いつくままに蝋を垂らしていく。ランダムに様々な箇所へ垂らしたり、乳首を集中的に責めたりする。その度に青葉の身体はビクビクと震え、首を大きく横に振り、声を上げ、もがく。 青葉が身悶えするたび、優也の加虐心が少しずつ満たされる。 やがて上半身から下半身へとゆっくり移動する。大腿部の内側などに蝋を垂らしながら優也は明るい声で話しかける。 「青葉さん、この後、どうなるか分かります?」 青葉は察しているのか、そもそも嫌なのか、何度も大きく首を横に振り続ける。 優也は薄く笑うと、陰茎めがけて蝋を垂らした。蝋が付着した瞬間、青葉は言葉にならない叫び声を上げ、身体は今までになく大きく跳ね上がる。手足の指は何かを掴もうとあがき、拘束から逃れようと全身が暴れる。 しかしそれでも優也が手を緩めることはない。バイブの振動の強度を上げつつ、ロウソクを回して溶けた蝋を作っては一滴、また一滴と、垂らしていく。そのたびに青葉の腰は跳ね、少しでも避けようと腰を上下左右に動かす。 しかし、皮肉なことに、蝋がまとわりつき責め続けても青葉の陰茎はそそり立ち続けていた。優也は含み笑いをしつつ、優しく撫で上げる。 優也はマグカップを燭台代わりにして吊り下げる。マグカップはゆらゆらと揺れながら、青葉の股間に蝋を垂らしていく。不規則に蝋が落ちる度に青葉の腰は跳ね、両足は逃げようともがく。 …どうすれば、青葉さんをもっと俺のことしか考えられなくなる? 優也は青葉を追い詰める方法を考えつつ、しばらく青葉の胸を優しく撫でていたが、おもむろに乳首周りに固まっていた蝋を剥がす。顕になった乳首を爪先で挟むと、青葉の胸はわずかに震える。指先で乳首を転がすとまた震え、指の腹で揉むとさらに震える。 優也は青葉の乳首に舌を這わせた。青葉の体は一瞬大きく震え、上擦った声を出す。しかし、すぐに蝋の責め苦に耐える声に戻る。再び舌を這わせると、今度は青葉の乳首を舌先で転がし、吸い上げ、歯を立てた。堪らず体を震わせながら甘く上擦った声を出す青葉。 そのまま快楽を与える続けると、やがて青葉は背を反らしながら苦痛の狭間で快感に悶え始めた。苦痛と快楽が混在したような、悶える声を上げ始める。 不意に青葉の口から手ぬぐいを引き抜く。青葉は歯をカタカタと震えさせながら訴える。 「…ゆう…やぁ…もう…ダ…メ…」 「んー、…何が?」 優也は再び青葉と唇を重ねた。歯を震わせる青葉の口内に舌を差し込み、舌を撫でる。青葉がおずおずと舌を差し出してきたところを強引に吸い上げると舌を絡ませた。優也の手元では、上半身を優しく撫で上げ、指の腹で青葉の乳首にやわやわと刺激を与え続けていた。 やがて青葉自ら進んで口付けを楽しむ頃を見計らい、唐突に優也は青葉の乳首を力任せに捻り上げた。 「んっーーー!!!」 青葉の上半身は大きく仰け反り、頭を大きく何度も振る。全身を暴れさせ、ガタガタと拘束部位が揺れる。 「ゆう…やっ!…もう…本当にっ…」 「…っ!」 青葉が言い終わらないうちに、優也は強引に青葉の顔を正面に向けると、無理やり唇を再び重ね、舌を差し入れる。青葉との"約束"があったため、拒否する言葉を声に出させたくはなかった。 …急いては事を仕損じる、か。 青葉が普段望むような快楽を優也は与えることにした。青葉の唇や舌を舐め、舌を優しく絡ませる。乳首は強弱をつけながら指先で緩々と刺激を与える。 「青葉さん、キス、気持ち良いでしょ?」 「…ん」 青葉は下半身の苦痛に悶えながらも、その緩慢な快楽に同調し始める。青葉は震える唇で荒い息を吐き、そして優也を求めるように上擦った声を出す。 優也は青葉の唇を優しく撫でる。 「気持ち良いなら、気持ち良いって言ってくださいよ。言ってくれないと分からない」 「気持ち…いい…」 優也は青葉に優しく口付けをし、肌を優しく撫で、乳首を刺激する。 「そう。もっと言って。」 「…気持ちいい」 青葉が「気持ち良い」と言葉を口にするたび、優也は青葉の望むまま快感を与えた。すると、下半身の苦痛を忘れたいためか、ただ単に快楽を欲しがっているのか、まるで売女のように連呼するようになっていた。 「ん…気持ち…いい…気持ちいい…ゆう…や…気持ちいい…」 「青葉さん、キスだけじゃなくて、全身で気持ちよさそうですね」 「…あっ…んっ…気持ちいい…気持ち…いい…」 優也との深い口付けと、優也による乳首への刺激で青葉は快楽を享受しながらも、下半身は蝋が滴り落ちるたびに苦痛で腰が跳ねあがっていた。その姿はあさましく、卑猥だった。 「もっと気持ち良くなりたいですよね」 優也は唇を離すと同時に再び手ぬぐいを青葉の口に押し込む。 「青葉さんのために新しいオモチャ、買いましたよ」 バッグから取り出したものはカップ状の乳首バイブだった。青葉の乳首を中心にカップを押し付けると、青葉の身体は僅かに震える。優也がバイブのボタンを押すと、内部が真空に近い状態になり、先ほどまで優也に十分嬲られ敏感になった乳首が強制的に勃起状態のままになった。青葉は変化に気づいたか、呼吸が荒くなり、胸が大きく上下している。 優也が別のボタンを押すと、いくつものイボ状の突起物がついたブラシが規則的に乱暴に乳首を擦り始めた。青葉にとって、その刺激は強すぎるのだろう。大きく仰け反り、言葉にならない声を上げたかと思うと、上半身を左右に振り、バイブを外そうとする。しかし吸引力が強く、バイブが取れることはない。強すぎる刺激を受け入れるしかなく、青葉の呼吸は甘美な快楽を纏いながら、さらに荒くなっていく。 「もっと気持ち良くしますから、青葉さん、イっていいですよ」 蝋が滴り落ちるたびに跳ね上がる青葉の腰を優也は押さえつける。アナルに差し込まれたままになっていたバイブの強度を上げると、ピストンさせ始めた。上半身に続いての下半身への強い刺激に青葉は声を上げる。 そんな青葉を優也は傍観し、性感帯付近にわざとバイブを押し付けたり、ピストンの動きを不規則に緩急つけたり、挿入の深さも不規則に変える。強烈な快楽と同時に、蝋の刺さるような痛みに苛まれる青葉はもがくことしか出来ない、 「もう我慢しなくていいんですよ」 優也は青葉の臀部をわざと乱暴に叩く。しかし青葉は首を横に振る。 「…あぁ。そうか。ここが詰まっていますね」 優也は陰茎の尿道口を塞ぐ蝋を剥がし始めた。 しかし、それは亀頭を直接刺激することにもなる。陰茎に爪を立てて擦る、直接の刺激が堪らず、青葉は大きく腰を持ち上げたまま果ててしまった。そして、開放感により気も失ってしまっていた。 「…やりすぎたかな。残念。」 優也は不満そうな顔をしつつも、青葉の身体を優しく撫でた。 ー第7話に続くー

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