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第2話
そこから、毎日人魚を犯す日々が始まった。
食事に魚を与えたら、噛み切れなかったので、小さく刻んで与えた。
貪るように人魚は食べた。
肉食なのだ、と痛感した。
バスダブの海水を飲んでいたので、くみおきしていた海水を与えたら、何度ものみほした。
そして、食べ終わったら悲鳴をあげようとしたので、慌てて塞ぐ。
そして、またバスダブから人魚を連れ出し、浴室の床の上で人魚を犯した。
泣いている人魚を。
今まで抱いてきた連中とは違い、優しくしたつもりだったが、まあ、無理やりなのだ。
泣いて当然だと思った。
でも抱かずにはいられなかった。
人魚は小さくて、熱くて、美しくて。
可愛かった。
恐ろしいモノであることを忘れてはいないけれど。
仕事で使う薬品で人魚の喉を焼き、声を奪った。
人魚は苦しみにまた泣いた。
喉をかきむしり、悲鳴はもう出ない。
可哀想だったが、仲間を呼ばれるわけにはいかない。
人魚の歌ははるか遠くにいる仲間に届くのだ。
ここは海の中ではないからまだ安全だが、仲間を呼ばれたら確実に殺される。
海の上で人魚に勝てることなど、まずないのだ。
焼いた後は仕事でそうしたやつらにしてきたように治るまで鼻から流動食をチューブを差し込み、流し込むつもりだった。
だけど、人魚は焼いてすぐにバスダブの海水を自分から飲んだ。
初めての性交で傷ついた身体がその日のうちに癒えたように、回復力が人間とはちがうのだ。
でも、人間と同じで、薬で焼かれた喉はもとに戻らない。
自分が悲鳴さえ失ったことに気付き、人魚はまたポロポロと泣いた。
「すまない・・・すまない」
バスダブに入り、人魚を抱きしめた。
手錠は間のチェーンを外し、両手が自由に動くようにしてある。
誰かを傷付けることが辛いなんて思ったことはなかった。
だから、こんな仕事がやれた。
頼まれた通りに苦痛を与え、頼まれた通りに殺す。
頼むヤツはゲスで、殺すヤツも大抵はクズ。
俺もただのサイコ野郎で、それで成り立つんだとしか思っていなかった。
人間がいない海が好きで。
たった一人で海を漂うのが唯一の楽しみで。
そこで、人魚に襲われ、人魚を捕らえ殺すつもりが、まだ幼さの残る少年のような人魚に夢中になってしまっている。
この状況は何だ?
人魚は俺の腕を嫌がって、必死で俺の首を噛む。
だけど、血すら流せないのだ。
可哀想に。
そして、もっと可哀想だ。
声を奪われたのに、これからまた酷いことをされるのだ。
俺はバスダブから人魚を抱き上げた。
人魚は何が起こるのかを察して、悲鳴をあげようとしたが、もう声はない。
可哀想だ。
可哀想だ。
でも、バスダブの床に下ろして片腕で抱きしめたながら、そのスリットに指を挿れていく。
ほら、指先にペニスの先が当たる。
じっくり、撫でてやれば、抱きしめている身体が跳ねる。
可哀想に餌でしかない人間に愛撫されて、人魚のペニスは勃起して、切れ込みの中から飛び出していく。
まだ小さなそこを夢中で擦る。
嫌がっていても、射精してくれることはもう知っていた。
何度も首を振って拒否するのを、強引に射精させた。
出ない声を上げる唇を塞ぎ、ずっとしたかったキスをした。
もう一つの切れ込み、熱くぬかるむ穴に指をいれながら。
そこでもう感じることを知った身体。
でもこれが何なのかも良くわかっていないような身体。
人魚は性には厳格で、一度決めた番と以外はセックスしないと言う。
まだ、何も教えられていなかったのだ。
もうわかっている感じる部分を擦りたてれば、噛みつくつもりの歯が力をうしない、その小さな舌を心ゆくまで味わえた。
キスがしたかった。
恋人みたいに。
恋人など作ったことはなかった。
都合のよいモノをつくりはしたけれど。
キスをしたいともおもわなかった。
なのに、身体を繋ぐより、キスがしたい。
こうやって、無理やり感じさせてからしかできないくせに。
唇を離して、愛を囁く。
「愛してる。可愛い」
髪を撫でてどんなに甘く囁いても、人魚は必死で首筋に歯を立ててくるだけだ。
愛撫としか思えない力の無さで、必死に抵抗してくる。
人魚は嫌がりつづける。
餌に犯されることを拒否し続けている。
ため息をついて抱きかかえて座り、すっかり濡れた切れ込みにペニスを挿れるために小さな身体を持ち上げた。
嫌がって暴れても。
もう重力で受けいれるしかない。
暴れる動きが中を擦る。
可哀想な人魚は感じて喉をそらす。
唇をひらいても、その姿よりも美しいと言われる声はもう出ない。
可哀想だ。
可哀想だ。
でも、気持ちいい。
何より、身体だけでも欲しい。
すすり泣いて感じ始める人魚を座ったまま、揺すってやる。
嫌がって胸を叩く非力な腕も。
感じてしまって、抵抗を止めて震える身体も。
愛しかった。
魚のような下半身さえ、好ましいと思っている。
抱きしめて揺する。
腹に人魚のペニスが擦れる
感じやすい人魚がまた射精した。
それを愛しく思う。
「感じてくれ・・・俺を感じてくれ・・・」
囁く言葉さえ届くことはない。
閉じ込めて、喉を焼いて、犯して。
愛されるわけがない。
でも、愛してしまっていた。
この恐ろしい生き物を。
手錠を外せば、襲いかかって自分を喰い殺す生き物を。
殺され食われかけたなら、殺して喰いかえせば良かったものを。
人魚はあまりにも美しくて。
かわいくて。
人魚が恐れられている理由を知る。
魂さえ、奪われてしまうのだ。
また、泣いている人魚を犯し続けた。
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