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挨拶くらい

 一週間経った最終日。昨日と同じように顔が見えないくらい積んだ本を持って走ってくるだろうと岩場で待っていた。 「遅い!!」  海岸に声が響く。  あのまま一緒に眠ってしまったはずなのに、目覚めた時には隣は間抜けの殻になっていた。 「全く!こ、恋人に挨拶くらいしたっていいだろ!」  行ってきますとか行ってらっしゃいとか。おはようとか。  ちょっと読めない奴ではあるが、そこら辺しっかりしたらどうなんだ!と思ってしまう。 (まあ、流れ星の件も多少俺が悪いんだし?もう少し待つか)  しかし、それから三日経ってもアステールは現れず、有耶無耶な気持ちのまま、一度故郷へと帰って行った。

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