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第6話 転生者(1)

 ぽたり、と冷たい雫が額に当たって僕は目が覚めた。  はっとして周囲を見回す。  僕は石造りの小屋の中にいた。廃墟のようにところどころ石レンガが外れて穴が空いている。  雫は天井から降ってきた雨漏りらしい。  石組みの壁に空いた四角い穴の向こう、雨が降っていた。  裸だった体には、麻布っぽい素材の服が着せられていた。シンプルな長袖とズボン。  ひんやりした石の床の上、あたりにはごちゃごちゃとガラクタがいっぱいあった。  調理具や食器、寝具や衣服、様々な日用品。  僕はその中に、ひびの入った鏡を見つけ、なんとなく手に取った。  そして鏡の中の自分を見て驚く。  髪の毛がピンク色だった。  メガネはなく、大きくて睫毛の長い目がむき出し。  いやでも僕は、こんな顔をしていたっけ?僕にそっくりなような気もするし、全然別の誰かの顔のような気もする。  僕は自分の顔にコンプレックスがあるから、あまり素顔をしっかり鏡で見ることがなく、ちゃんと覚えていない。  それにピンク色の髪が違和感ありすぎて、判断が狂う。  とにかく「この世界の僕」は、この姿なのだ。   僕はふうと息をついて、混乱した頭を整理する。  あの男達は僕のことを転生者と呼んでいた。  異世界転生って本当にあるんだ、と思った。よくアニメとかラノベであるやつ。トラックにひかれて突然、別の世界に飛ばされるやつ。  まあ僕は、死んだ覚えはないんだけれど。あの青い光に包まれた時に、死んでしまったのかな。  でも物語の中の異世界転生は、こんな残酷じゃなかった。死んだら神様が出てきて、チート能力を授けられて、異世界で敵をバンバン倒して無双して。  なのになんだよ、この世界。  乳首で射精する化け物みたいな肉体になって、現地人にあんなことされて。  その時僕は、僕を助けてくれたあの少年のことを思い出した。レンによく似た……。

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