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第22話 現地人の街へ(4) ※

 精液でどろどろになったレンの体を、ドルードはべろべろとなめ尽くした。 「あああ、来たぞ来たぞ来たぞ!久しぶりのこの感覚!」  ドルードは天井を仰いで叫ぶ。 「勃起じゃああああああ!回春じゃあああああああ!」  腰が曲がっていたはずのドルードが突然背をしゃきりと伸ばし、レンの体を引き倒した。  レンの体はそこにあったソファに沈められる。  レンはちっと舌打ちをする、 「声がでけえんだよじいさん、アイツに聞かれるだろ」  僕はどきっとする。僕がここで覗き見してるって知ったら、レンはどれだけ不快な思いをするか。  駄目だ、来るべきじゃなかった、やっぱりもう立ち去らなきゃ、と思った。  でも僕は目に入ってきた光景の衝撃に、動けなくなってしまう。  ドルードのむき出しの下肢が僕にも見えた。  老人とは思えない、そそり立つイチモツ。  ま、まさか、そんな。  本番までするのか?  ドルードはレンの、引き締まった足のひざ裏を持ち上げ、開かせた。  レンは抵抗しない。  ドルードは自らのそのデカブツを、レンの秘穴にあてがい、一気に突き刺した。  僕は思わず手で口を覆った。  レンが顔をしかめた。 「はあぁぁぁ、レン!お前は中も最高じゃああああ」 「いきなり入れんなよボケじじい、指で慣らせよ、本番久しぶりなんだよ」 「何を言っておる、とっくにどろどろじゃないか!この色狂いのガキんちょ転生者がああああ」  老人は獣のように腰を打ちつけた。  その怒涛のピストンに、レンの顔つきも艶めいていく。その吐息に色がにじむ。  レンの口が半開きになり、切なげに眉が下げられる。  それは直視できないほどなまめかしい、濃密に匂い立つ色気だった。  レンは感じてるんだ、と僕は思った。  僕は本当に、見てはいけないものを見てしまっている。  戻らねば、と思った。  僕はそっと、戸棚から身を離した。  静かに廊下を戻り、扉を開けて店舗エリアへと出た。  両手で顔を覆った。  これが転生者の生き方なんだ、と思った。  転生者としてこの残酷な異世界を生きて行くこと。  それはつまり、こういうことなんだ。  ドルードとこういう関係を築いていることは、おそらくレンにとってとても幸運なことなのだ。  一度体を差し出すだけで、老人は転生者に必要不可欠な「付け耳」を用意してくれ、さらに防具や武器まで手に入る。  そんなドルードは、転生者にとって現地人の中ではトップレベルの「いい人」に違いない。  新参者の無知な僕が、今あれを止めに出て、せっかくレンが築いたドルードとの関係をぶっ壊すわけには、いかない。    僕の目から涙が出てきた。  レンごめん、と思いながら。  僕のために、君の体を汚させてしまった。  本当にごめん。僕はなんて情けない奴だろう。  僕は思う。レンに頼ってばかりじゃ駄目だ、と。  僕も強くならねばならない。  強くなって、守られるだけじゃなくて、僕がレンを守りたい。  この最悪の異世界でたった一人生き抜いてきた、強い君の隣、ちゃんと肩を並べて歩きたい。

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