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第12話 きみがほしい(*)

「ぁ……っ、い、ぃ……っ、紅、葉……っ」 「ん、臣ちゃんに触れるの、俺、すごく好き。気持ちい……っ」  臣の屹立が、紅葉が鈴口を押し付けているガラスのちょうど反対側に、ある。  捏ねられて、キュッ、キュッ、と音がするほど互いに腰を揺らすと、次第に温もりがあるように、錯覚を覚え出すのが、切なかった。 「欲し……っ、も、っと……っ」 「ん。好きだよ、臣ちゃん……っ、中、可愛くなってる……? 俺……っ、ちょっと我慢がきかないかも」 「ぁっ……ぁっ、ぁ」  自らの愛技に乱れながら、ぐにぐにと後蕾を弄る臣の腕が震えていた。限界が近いのを悟った紅葉は、臣の火照った顔に向かって、再びガラス越しにキスをした。すると、臣もまた唇をガラスに当て、色めいた視線で紅葉に応えようとする。その健気なさまが、自然と紅葉の心に火を点けることなど、考えてもいないようだった。 「臣ちゃん……、弄ってる後ろ、こっちに向けて見せて」 「ぇ……っ?」 「臣ちゃんのお尻の孔が、どれだけ綻んで、指を飲み込んでるのか、見たい。……駄目?」 「そ……っ、……っ」 「後ろ、向いてごらん」 「向い、たら……っ、入れて、くれる、か……?」 「ん……。臣ちゃんの好きなだけ、好きなようにしてあげる。臣ちゃんのお尻の孔が、赤く腫れて、擦れて疼くようになるまで、いっぱいあげるよ」 「ぁ……」  インカム越しの紅葉の声に、臣がとろりと表情を変えたのがわかった。  最後の理性のタガが外れ、いやらしい獣の色を湛えた漆黒の双眸が、紅葉を強請るようにねめつける。ぎゅっと唇を噛み締めたまま、臣はガラス越しに身体を返した。そのまま腰を突き出して、遮蔽物のガラスにもたれかかるように爪先立ちになり、指先で尻たぶを左右に引き延ばして、中の孔が見えるようにガラスに押し付ける。 「み……てっ……、俺の、ぁ、紅葉……っ」  ぎゅ、と押し付けられた柔らかな尻たぶの中心に、指を二本、食んだままの、あさましく開かされた孔があった。オメガ特有の愛液が溢れんばかりに滴り、臣の指を濡らしながら、息づいている。 「はぁ……っ、紅葉、欲し……っ、い、入れ──……」 「ん。あげる。まずは入り口の襞を舐めてあげるよ。赤く盛り上がって、ひと目で処女の孔じゃないってわかる、臣ちゃんの可愛い孔……、それから、指に従って中に舌を入れて、溢れてくる愛液をかきわけて、中を可愛がってあげる……」  紅葉が言いながらガラス越しに跪くと、臣はインカムの声に反応して、仰け反った頭頂部をガラスに擦り付けて喘いだ。

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