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一緒に帰ろう?
もしかしたら高等部に入ったら俺の魅力がだめだめになっているとか?
俺はあわてて、その理雄ってやつの隣の席にいたやつにも同じ事をした。
そいつも外部組みのやつだ。
すると、そいつは、軽く顔を赤らめて、潤んだ目を向けて俺に微笑み返した。
そうだよ。フツーはこういう反応なんだよ。
そっかコイツ照れてるんだよな?そうだよな。
そうこうしているうちに、クラス担任がやってきたから、急いで自分の席についた。
…………
…………
軽くクラスでのオリエンテーションが終わって本日は終了した。
帰り、下駄箱のそばに、理雄がいたので、声をかける。
「な、理雄だったよな。帰り電車とか何線?途中まで一緒に帰らない?」
理雄はじっと俺を見て、
「誰??」
と言った。
何?忘れられてる?
この俺が・・・・????
俺は内心あせりながら
「あ、さっき自己紹介したじゃん。西本和也だよ」
「……ああ。」
理雄はそう言って、靴を履きながら
「でも、俺は、電車に乗らないから……」
そう返事をして、玄関へ向かった。
「電車に乗らない?じゃ、バス?それとも徒歩・・とか。自転車?」
色々言ってみた俺だったけれども
「・・・違う……」
ポツリと言われた。
………
「ちょ・・待って・・・」
俺はそう声を掛けて、急いで理雄に駆け寄った。
「じゃどうやって?」
その疑問を口に出したけれども、そのままスルーされて行かれてしまった。
そのまま校門を通って、校門脇に付けられていた、黒塗りの車にそのまま乗り込んでしまった。
「・・・・・あ。」
そして、車は俺の目の前を通ってそのまま走り去ってしまった。
俺はそれをぼんやりと見ていると、後ろから淳司がやってきて言った。
「・・・。なあ。あいつ。知ってるか?竜輝会の組長の息子だってさ」
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