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Rio side 1 嫌いなタイプ
西本和也。
そいつはそう名乗った。
自信ありげに微笑んでいたそいつは、健康的な浅黒い肌に、キリッとした口元。そして、涼しげな目元。
……いかにもモテそうな容姿だった。
ああ。
こいつは自分がモテるって分かってこういう表情をするんだよな。その笑みを見て思った。一番嫌いなタイプだ。
だから思いきり無視をしてやった。そうしたら、そいつは少し慌てていた。
……いい気味。
そして、俺はそいつの事を忘れる事にした。
………
………
だけど、学校の帰りにもまた、そいつは、しつこく絡んで来た。
一緒に帰ろうとか言ってる。
でもね、俺は一緒になんか帰らないよ。
何度も話かけるソイツを軽くあしらって、急いで校門へ向かって、校門脇に止めてある車に乗る。
これで、もう追いかけてこれないだろ?
ソイツはボケっとした顔で見ていた。
なんだよ、車での送り迎えってこの学校では珍しくもなんともないんじゃないの?
ああ、どっちかっていうと、頭がいいエリート系学校だしね。少ないのかな?
だから、ここの学校を選んだんんだけど。
浮ついた坊ちゃんばっかいる学校は嫌だったから。
だって、そういう学校の生徒は浮ついてチャラくておせっかいが多いから。
嫌なんだ。
でも、こういう学校でもいるんだね。そういういうタイプのやつ。
何処にでもいるんだな・・・。
だけど、俺に興味があるのは最初だけだと思うよ。そのうち、家がヤクザとか知られると少し引かれるんだよね。
だけど、親がヤクザとかそういう関係って、結構、私立の学校ではよくあるからそういった反応もはじめだけ。
でも
俺がみんなととけこまないから。最後には、俺は突き放されるんだ。いいんだよ。みんなと協調なんてしたくないし。
みんな、最初はこうやって構ってくる。
だけど、結局はみんな俺の上っ面だけを見ているだけだよね。
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