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Kazuya side 2 竜輝会
馬鹿にしたような視線を向けて、理雄は車に乗りこんで行った。
後ろから来た淳司に聞いた。
「竜輝会だって?」
「そう、あそこ、関東を二分するヤクザっつーか暴力団でしょ?この学校にはヤクザの息子なんてめずらしくもなんともないけどさ。でもあの竜輝会はでかいよね」
「詳しいよなお前・・・。あ、そういやお前の父さんさ、そっち側?」
「ちっがーうよ。検察官」
「警察関係だから?」
「いや、まるで違うし・・・」
「ふーーん?ってか、淳司、詳しすぎる」
「俺なんかそういうのマニア」
「何それ?」
あははと笑っている淳司。
「あそこ、なんかいろいろあるからねー。やっぱり関わらないほうがいいかも」
「色々って?」
「今、もうひとつのでかい流盛会と抗争中だからね」
「抗争中・・・かあ」
「でもね。竜輝会ほどでかいとね。いろんなとこと絡んでやっかいなんだ」
「いろんな所?」
「そう、いろんな各界。政界とかもね」
それから、淳司は色々語り始めたし、っていうか、俺、淳司がこんなやくざマニアとか知らなかったし。まあ、そんな話題俺興味なかったから、そんな話を話されてもなんだけどね。
私立の学校はこういう関係とかの子供は多いのも事実。公立と比べて入りやすかったりセキュリティがいいからも有る。ただ、公立よりも融通が利くというのもあった。
だから、実際、抗争中の組員組長の息子達が同級生っていうのも珍しくもなんともない。
まあ、子供には関係が無い話といえばそうなんだけども。
「小さい組と比べるとかなりいい暮らしだとは思うけど。ただね、子供的にはねえ、色々大変なんじゃないの?」
だからなのか?だからあんなに人を寄せ付けないのか?
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