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屋上で
………
………
昼休みぐらいにゆっくり話したいとか思っても、理雄は何処かへいつも消えていていなかった。
……まったく、理雄ちゃんはいつもどこにいってるのやら?
今日は思い切って後をつけてみよう・・そう思って昼休みがくるとすぐ、理雄の姿をさがした。
すると、理雄が誰にも咎められずに、屋上に通じる階段をまっすぐ上がって行くのが見えた。
・・・屋上?たしか屋上って、出入り禁止なはずじゃなかったっけ・・?
急いで追いかけて行く。
階段を上がりきってすぐに、そのドアがあった。登っていったはずの理雄の姿はみえず、やはり屋上へ行ったのか?
でも……。ドアは鍵が掛かっているはず。
そっと手を掛けてみた。
ぎぎぎぎ・・・と嫌な音を立てて開いた。
"開くんだ?"
でも。ここには誰も上ってくるやつはいない。
屋上といっても、柵があるわけでもない、ただの屋根の上っていうか・・・。
なにしろ数年前。ここから飛び降りたセンパイがいて・・・。
でもさあ、そのセンパイって無事だったんだけどね・・・・。
だけれども、それ以来なんか怖い噂が…呪われてるとか、呪われたとか…?そんな噂がたってここに上るやつなんていなくなったんだ。
まあ、危険だっていう事で鍵もかけられたわけなんだけどね?
ドアを開けて出てみると、案の定誰もいなかった・・・。
軽く見回してみても理雄の姿も無い、
「・・アレ?・・・」
これはもう、新手の怪談??
キョロキョロしてみると、なんとなく受水槽のほうに人影が見えたので行ってみた。
大きな受水槽の回りは金網になっていてそこの回りをぐるっと回ってみると・・・そこに、いた。
出入り口のドアと反対側にある受水槽の真裏。
よくもまあ、こんなとこに入り込んだよな・・・。
そこに、受水槽の柵の下にあるコンクリで出来た四角い台?のようなものによりかかりながら座り込んでいる理雄がいた……。
少し目を閉じて転寝を始めようとしていた。近づいて声を掛けるのが少しはばかれる様な。
すごく綺麗だ・・。
そう思って暫くそっと見つめていたけれども、思い切って近づいて声を掛けた。
「理雄・・ちゃん」
目を閉じて少し転寝を始めていた理雄がうっすら目を開けた。
…………
……
…
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