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変なヤツ

「はは、お前も振られた」 汰一が何か言って来た。 「うるさい。黙れ。まだだ。まだ」 もう一度殴ってやろうか?と思ったけれども、ひっくり返っていた汰一を見て止めた。汰一はそのままにして、俺は、リオの後を追う。 リオは公園の出入り口からすぐ裏の通りに出ていた。 「リオ待って!!」 俺は追いついてその腕を掴む。 「いいって言ってるじゃないか!!」 案の定すごく怒って手をふりほどかれた。 「違う!!そうじゃなくって……」 「何?」 一瞬の間。ものすごく睨まれながら俺は言った。 「財布だっ!!」 そう財布だ。そもそも、何でリオの家の方へ戻ってきたかと言えば財布が行方不明になっていたからだ。……というか今それを思い出した。 「財布??」 リオはコイツは何を言ってるんだ?オーラ全開にして俺をじっと見る。 「そう。俺が何で、こっちに戻ってきたかっていうとね。財布が無かったからなんだよ」 「何それ?」 「だから─えーっと、駅前の本屋寄って、買おうと思ったら財布が無くってさあ。それでリオんちにおいてきたかなとか思ってさ。探したくって」 リオはじーーっと、表情も変えず俺を見ていたと思ったら、行き成り笑い出した。 「ナニソレ??カズヤって間抜け?」 俺はきっと馬鹿にされるかもとか思ったけど、こんなに大っぴらに大笑いされるとは……。 「そんなに笑う?だってマジに死活問題だし、財布ないと困るし焦ってるんだから」 リオは本当に可笑しそうに笑っていた。 「だって、このタイミングで言う?ってサ……ホントにお前って変なヤツだよ」 その時、リオが俺の手を柔らかくふわっと触れる様に掴む。 「財布、気が付かなかったけど、探す?だけど…マジで俺の家すぐそこだから、送ってくれなくても良かったんだよ」 そのまま、手を取られたまま歩いた。これって、手繋いでるってやつ?いや、なんか違う。 「でも、俺に近づくなと言ったじゃん」 と言って見た。 すると、リオは前を見たまま囁くように言った。 「いいんだ……」 .

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