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いいよ?
…
………
…………
「あれー財布。やっぱりないやおっかしいなー」
カズヤは俺の部屋に再び来て財布を探した。あちこち探しまわっていてでも無いみたいだった。
「リオの部屋、きれいだから何か落ちてたらわかりそうなのになあ。やっぱりリオの家で落としたのじゃないのかな?」
俺はそうだね。といいながら、いろいろ探し周っているカズヤを見ながら大きいビーズクッションの上に座ってぼんやりしていた。
──何か今日は色々あって疲れた。
ふっと力が抜ける。
「・・・・よ」
頬を触る何か。あれ?何だっけ?
「リオ、キスしていい?」
何?
「え・・・・」
俺はいつの間にかそこで寝てしまったらしい。
ボンヤリと目を開くとニヤニヤしたカズヤが俺に覆い被さるようにしていた。
「何言ってるの?」
俺は思い切り手でカズヤを押しやって、起き上がった。
「リオは分かってないよ。そーやってさあ。リオの事好きって言ってる奴の前で堂々と寝るってさ。どうぞ襲って下さいって言ってるも同然じゃない?」
「そんなの、屁理屈だから。分かんないよ」
「じゃ、分かって。次そんな事したら。襲うから」
俺はカズヤをじっと見て言った。
「うん」
すると、カズヤは吃驚したように慌てて言う。
「えっ?!その"うん"って、何の?何に対しての?」
俺はクスクス笑って、
「さあ?」
と言った。
そして、続けて……。
「……ねえ。この前からカズヤが言っていたアレ。いいよ。」
「えっ。何?なんなんだよっ」
「だから、OKってこと」
「それは何の?主語を言えーっ」
俺はまっすぐにカズヤの目を見つめた。
「付き合ってもいいよ…」
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