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Kazuya side 5 全く分からない
……
………
…………
ぼんやりと部屋の天井を眺める。
俺、リオを抱いてしまった…んだ…。
だけど、その余韻にひたっていたら、隣にいたリオが不思議そうな顔をしていた。
「リオ?大丈夫?身体痛い?」
やっぱり最初だし身体的に負担が掛かっているから何処か痛むのだろうか?と心配した。
「……それは、そうに決まってるし。動けないから」
「ごめん。優しくしたつもりだったけど……」
「俺もいいよって言ったから、いいんだけど。でも、不思議なのは汰一に触れられたときとても怖かったし嫌だったのに、カズヤはいいって思っちゃったのはなんでなんだろう?……」
眠そうな声でリオが言った。
「……カズヤごめん、動けないから、勝手に帰って。あ、シャワーとかあるから。部屋の右の奥に。それと、そこに綺麗なタオルとかもあるから適当に使って。帰りここの部屋専用の出入り口から帰ってね。今日、入ったとこだから……」
そう一気に話すとリオは目を閉じて、
"財布あってよかった…ね……カズヤ"
小さく囁いて俺から背中を向ける。
あれ?Hしたあとの甘いひとときは?あれ?勝手に帰れって……
「お…おう…」
そう返事するしかなかった。
……………
……
…
次の日の朝、学校でリオに会ったけれどもなんにも変わらない。
「おはよー」
と声をかけてもいつものそっけない態度だった。
昨日俺は、晴れてリオと付き合う事になったし、しかも初Hもしたんだよな?
なんかちょっと信じられない。
あれは夢だったのか?
全くよく分からない。
でも、ここで気が変わって、やっぱり付き合うの止めるとか言われたら俺は立ち直れないよ。
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