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第37話

仕事が終わり家に帰る。 「あ、廣瀬さんおかえりー」 最近はだんだん慣れていて敬語も取れてきた。 「ただいま。」 「ご飯出来てるよ!」 菊池が作った夕飯を食べ持ち帰った仕事をするためパソコンを立ち上げた。 「仕事?」 そう声がして振り返ると、先に風呂に入っていた菊池が髪を拭きながらソファーとテーブルの間に座ってる俺を見ていた。 「ああ、」 「あんまり頑張りすぎると体に悪いよ?」 「ん、ありがとう。」 菊池が髪を乾かしに行っている間にさっさと仕事を片付け入れ違いに俺も風呂に入る。 「廣瀬さーん。電話」 「ん?誰からだ?」 「家電だからわかんねえ。」 家電? なんでだ、俺の家の電話を知ってるやつなんて限られている。 「今行く。」 とりあえず風呂を出て素早く着替えて受話器を取る。 「はい。」 「お前携帯位出やがれ」 「若、どうしたんですか?」 「どうしたじゃねえよ。携帯にかけたら電源切れてっからこっちにかけたら知らねえやつ出るしよー」 「すいません。」 「まあ、いいけどよー、さっき電話に出たのあれか?菊池なんとか。」 「ああ、はい。菊池春野です。」 「今度連れて来いよ。」 「え、いや…」 「わかったな!!」 そう言って若は電話を切ってしまった。

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