38 / 134

第38話

あっという間のことで少し呆然としていると 「仕事のこと?」 「あー、いや、今のは佐嶋組の若頭だ。」 「へえー、俺と同じ位かと思ったけど」 「確か17だったはずだな、」 「なんかすごっ」 「お前、若に会ってみねえか?若がお前に会いたがってる。」 「いいけど…。」 よかった。 よかったんだが若に会わせるにはこいつを組に連れて行かなくちゃならないのか。 親父にも確認とらねえとな。 「わかった。若もきっと喜ぶ。」 菊池の顔を見ると少し考えているような顔をしていて、 「ねえ、名前がいい!」 「え?」 「菊池じゃなくて春野がいい!」 「いや、そんな急には、」 「俺も廣瀬さんのこと名前で呼びたいし。」 「それは構わねえが。」 そういえば1回だけ名前で呼んだことはあったけどその時以外は菊池だったな。 「まあ、わかった。」 「やった!あ、俺は蒼さん?蒼?」 「蒼でいい。みんな蒼だしな。」 「わかった!蒼」 っ…。こいつは、煽ってるのかなんなのか。 「蒼、キスしたい!」 ほら、また。 「ん、」 春野の頬に手をかけ唇を合わせる。 「ふふ、ありがとう!」 「ああ、」 やばいな。 どんどん溺れていく

ともだちにシェアしよう!