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第75話
「春!大変!!」
年が明け学校が始まりいつもの様に教室寝ていると煩い声で目を覚ました。
俺を春と呼ぶのは限られてる。
「どうした?秋」
慌てた様子の秋にそう聞くと、いつにもなく真剣な顔で口を開いた。
「剛さんが襲われて病院に…」
「相手は?」
「それが…」
秋が言葉を濁す。
「藤龍高校だ。」
すると後ろから夏が秋の代わりに言った。
夏から発せられた名前に周りがざわめき出す。
「おい!藤龍って彩世さんの代に休戦結んだんじゃねえのか?」
その中のひとりが恐らくこの教室の皆が思ってるであろう疑問を口にした。
彩世さんとは俺がトップになる前までこの学校のトップだった人だ。
「最近、あっちのトップが変わったらしいからそれが関係してんだろ。まあ、どっちにしろ皆気をつけろよ。特にお前はな、春」
「はーい」
俺と夏は学校を出てある場所を向かっている。
カランカラン
「いらっしゃーい!ってなんだお前らか…」
「なんだってなんですか!彩世さん!」
ここはさっきも名前の出た彩世 樹里のバイト先の喫茶店。
「で?今日はどうした?」
いつも通りカウンター席に座ると彩世さんが切り出した。
「藤龍高校が休戦を破りまして、、。なんか分かんねえかなって思って。」
「藤龍か…。最近トップが変わったのは知ってるだろ?そいつがいろんな所に喧嘩ふっかけてるって話を聞く。」
それで決まりじゃん。
なんか、めんどそうだな…
「あ、春お前今めんどくせぇって思っただろ!顔に出すぎた!」
ハハハッと笑う彩世さんにお礼を言って俺達は店を出た。
「とりあえず準備と警戒だけしといて後はあっちが仕掛けてくるのを待つか。」
「ああ、そうだな。お前、帰るのか?」
「うん。このこと秋と冬に言っといてー。じゃあまた明日ね!」
そう言って夏に背を向けて歩き出すと「気をつけろよ」と言われそれに返事をしてマンションまで歩いた。
藤龍と喧嘩しなくちゃ行けなくなったら蒼との時間も減るしなー…
最悪…
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