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第76話
昼過ぎにマンションに帰ってきて部屋の掃除をしたり携帯を弄ったりしているとふと、昨年の年末の事を思い出した。
『年が明けすぐに敵対してる組と抗争があるかもしれねえ』
はぁ、、
俺らも荒れそうだし。
このこと、蒼に行ったほうがいいかな?うちと藤龍が喧嘩になったら間違いなく怪我は免れないだろうし…
でも、蒼の方が危ない訳じゃん?心配だな…。
「ただいま。」
いろいろ考えていると時間は刻々と過ぎていきいつも通りの時間に蒼は帰ってきた。
「おかえり!ご飯あるよ!」
「じゃあ先に食うか。」
作った料理をテーブルに持って行く。
いつも通り2人で夕飯を食べながら俺は話を切り出すタイミングを伺っていた。
「あのさ、実は近い内に他校と喧嘩になるかもしれないんだよね。」
"なるかも"じゃない。必ずなるんだけど
「それで、怪我とかするかも知んないし、俺が暴走したら蒼にも迷惑かけちゃうかもしれないから、一応言っておこうと思って。」
まあ、夏達が居るから大丈夫だとは思うが。
「分かった。安心しろ、怪我したら奏の所に連れてってやるし、暴走したらちゃんと止めてやる。」
「ありがとう。」
ちょっと安心した。
彩世さんの話だと藤龍は結構危ないらしいからちょっと不安だった。
「俺も話がある。この間言ったこと覚えてるか?」
今、話す必要のある事で思い当たるのは一つしかない。
「抗争のこと?」
「ああ、そろそろ本格的に動き出してる。今月末頃になるかもしれない。その時お前には愁さんと一緒に奏の所に居てほしい。」
「なんで?」
「もしも、この家があちらにバレていたらお前が危ない。お前に何かするかもしれない。奏の所はいろいろ設備が整っているから安心だ。」
「分かった。」
いろいろな設備ってなんだろ…。
とりあえずお互いの話を終えて夕飯の続きを食べ一緒に風呂に入ったりテレビを見たりしていると時間は11時を過ぎていたので寝ることにした。
蒼の事も心配だけど今月の末らしいしとりあえず今は藤龍だ。
新しいトップがとういう奴から知らないけど俺達を舐められたら困る。
明日、夏達と話さなくちゃ。
俺がそう考えて居ると蒼の腕が俺の腰にまわってきた。
「今は考えずに寝ろ。」
そう言って優しく口付けを落とされる。
決して舌を絡めない触れるだけのキスを何度もしているとだんだん固まっていた気持ちも解れていくと同時に睡魔が襲ってきてそのまま蒼の腕の中で眠りに落ちた。
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