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第78話
秋達は荷物を取りに1度も自分の家に帰って、俺はその間に部屋の掃除をする事にした。
久しぶりに帰るからかどこか生活感がなく本当にここは自分の部屋だろうかと疑ってしまうほど寂しく感じる。
換気をしたり途中で買った弁当や惣菜とか飲み物を冷蔵庫にいれているとうちにチャイムが鳴った。
「お邪魔しまーす!」
「ん、」
秋達が来て1人の時はどこか寂しかった部屋が明るくなった。
「春の家久しぶりじゃない?」
「そうだなー」
それからくだらないことを話しながら買ってきた弁当を食べてまたくだらないことを話す。
まるで、何も無かった様にまるで今までもずっとここで生活してたかのように時間は流れていく。
「おら、寝るぞ!」
俺の部屋に2人分の布団を敷いてリビングに居る2人に声をかける。
蒼は今頃どうしているだろう。
仕事から帰ってきたよね?
「春、大丈夫か?」
ぼーっと考え事をしていると冬に話しかけられて我に返る。
「大丈夫大丈夫!」
そう言うと「そうか。」と言ってちょっと微笑む冬に微笑み返した。
「おやすみ」
そう言って電気を消して布団にはいるがなかなか寝付けない。ベットの下の布団に居る2人を見ると既に寝ていて、2人を起こさないように静かに部屋を出た。
おもむろに携帯を手に取る。
この時間なら、ぎりぎり大丈夫かな…
そう思って連絡先から電話をかける。
「どうした?」
聞こえてきた声は昼に話したばかりなのになつかしく感じる。
「ううん。ちょっと眠れなくて」
「大丈夫か?」
「うん。ねー、明日って休みでしょ?」
「ああ、待ってるから早く帰ってこい。」
「うん!じゃあそろそろ寝るね」
俺がそう言うと「おやすみ」と言う声におやすみと返して部屋に戻りまた布団にはいる。
電話で声を聞いても隣に蒼の温もりがないのは寂しい。
でも、今回はすぐに睡魔が襲ってきて眠りに落ちた。
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