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第88話
今の時間は午前9時を少し過ぎたところだ。
蒼を見送ってから2時間が過ぎた
まだなんの連絡もはいってなくてあっちがどういう状況なのかもまだわからないらしい。
俺と愁はただただ皆の帰りを待っていた。
「春野、大丈夫?」
「あ、大丈夫。ありがとう愁。」
こんな時でも俺に気を使ってくれる愁は本当に強いと思う。
自分も千尋のことで不安なのに。
「そうだ、昔話してあげる!今から話すことを春野に話したことは千尋には内緒だよ?」
唇の前に人差し指を添えながらそう言うと愁は話し出した。
「最初はね、俺もすっごく怖かったんだ。怖くて怖くて奏から離れられなかった。そんな俺を奏はずっと抱き締めててくれた。大丈夫大丈夫って。千尋が無事に帰ってきた時は周りの目なんか気にしないで千尋にずっとくっついてたなー!その時にね、約束したの俺に勝手に死なないって。だから俺は千尋を信じる。」
『一緒に帰ろう』
俺も蒼と約束した。
終わったら一緒家に帰るって、
「不安かもしれないけど千尋と蒼さんなら、皆なら大丈夫!信じて待と?」
「うん」
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