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第94話

旅行が終わって少したった頃俺は病院にいた。朝から頭がぼーっとして調子が悪かったし学校に行くと顔色が悪いと言われて夏に付き添ってもらって検査に来ている。 夏もいる関係で奏でるのところに行くわけにもいかず学校から一駅の所にある大学病院に来た。 「菊池さんですがインフルエンザA型ですね。吸引タイプの薬をお渡ししますので今日から1週間家で安静にしていて下さい。」 医者にお礼を言って診察室を出る。 薬を貰って家の近くまで夏に送ってもらった。家まで送ると言われたけど今は蒼の家に住んでるから近くのコンビニまで付いてきてもらった飲み物とマスクや冷えピタを買って夏と別れた。 家に帰ってきてさっき買ったおにぎりを食べて薬を吸引すると少し眠くなって冷えピタとマスクをして布団に入る。 蒼に連絡するのを忘れていた事を思い出してインフルになっちゃったとLINEし終わったところで睡魔に勝てず堕ちた。 次に目を覚ますと車の中にいた。横を向くと蒼が運転をしている。 「…蒼?」 「起きたか?今から奏の所に行く。」 「え?」 「最近忙しくてお前の看病してやれそうにねえんだよ。奏の所なら俺も頻繁に行きやすい。ごめんな。」 「んっ…大丈夫だよ」 俺がそう言うと寝てろ。と頭を撫でられてまた眠りに堕ちていった。 「好きだ。」 眠りに落ちる瞬間蒼の声が聞こえた気がした。

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