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第96話
トントン
病室にノックの音が響いた。
「はい」
俺が返事してすこししてドアが開いた。
「体調はどうだ?」
「ちょっと怠い位で熱とかももう無いよ」
蒼はベッドの隣の椅子に座ると俺の手を優しく握った。
「そうか、無理するなよ。」
「うん。蒼仕事は?」
「大分落ち着いた。」
「良かった!」
それから蒼と暫く話して夕方にまた仕事に戻る蒼を見送った。
一緒のマンションに住んでて毎日会ってるそれでも毎日俺の内側からじわじわ湧き出てくる感情。一緒に居れば一緒に居るほど"好き"が強くなってまた離れれば離れるほど蒼の体温や匂い、愛情を求める。
蒼と出会わなければこんな感情が芽生えることは無かっただろう。蒼が俺の人生を180度変えてくれたんだ。
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