108 / 134

第107話

この時計が止まってしまえばいいのに…。 この間から何度そんなことを思っただろうか。弱気にならないようにしていても日に日に蒼と離れなければ行けないんだと思うと胸が痛くなる。 昨日、蒼の仕事が終わって千尋の部屋に迎えに来てくれたから一緒帰った。朝はいつもの様に蒼に起こされて蒼の作った朝ごはんを食べる。蒼は仕事に行き俺も学校に行く。夕方になったら蒼が帰ってきて今日何があったとか市野さんと澄衣さんが喧嘩してたとか何でもない話をしている時間が幸せに感じる。 蒼は感が鋭い方だと思う。だから寂しい気持ちとか本当は行きたくないって蒼に泣きつきたい気持ちとかを悟られないように気をつけなくちゃ行けない。 『助けて…蒼。』 伝えることの出来ないそれを心の中で何度も唱えながら今日も俺は蒼ほ腕の中で眠る。

ともだちにシェアしよう!