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第111話

それから俺たちはお互いへとへとになるまでお互いを求めあって、その後重たい体を引きずってお風呂に入った。 「寝るぞ。髪ちゃんと乾かしたか?」 「ばっちり!おやすみ蒼。」 「おやすみ」 2人で同じ布団で眠りに着く。 蒼が眠ったのを確認すると俺はそっと布団を出て鞄の中から日中受け取った指輪とチェーンを取り出した。自分の分の指輪をチェーンに通し首に下げた後もう一つの方をケースから取り出し布製の小さな袋に入れて蒼のスーツの内ポケットにいれた。 蒼を起こさない様にまたそっと布団にはいり蒼にくっついて眠りにつく。 鼻いっぱいに蒼の匂いを嗅ぐ。この匂いも温もりも暫くは感じられなくなる。そう思うとまた涙が溢れそうになった。 それを何とか我慢して力いっぱい蒼にしがみつくと流石に蒼も気がついたのか体を俺の方に向けて俺の体を包む様に抱きしめてくれる。 安心する。 この心地よさの為なら俺は何だって出来る気がする。 安心すると急に睡魔に襲われてそのまま俺は眠りについた。

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