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第121話

今日組へ行くと親父と若に今日は昼から休みだと言われた。今は特に忙しい時期でもなく昼までいつも通り作業をして家に帰った。この間までは少し忙しくてろくに寝れていない。昼過ぎに家に着いてシャワーを浴びて寛いで居るとインターホンがなった。 『あ、俺です』 インターホンから聞こえてきた声はいつも電話越しで聞いていた声だった。一瞬どういう事か分からなくて言葉を失う、でもすぐに玄関に行きドアを開けた。 「えっと……久しぶり?」 4年前より少し背が伸びた 髪の色も違う でも今俺の目の前に立っているそいつは4年間俺がずっと求めていたもの 俺はそいつの腕を引き抱きしめた 「春野……」 最初は夢何じゃないかと思った。でも、今腕の中にある感触が匂いが現実である事をものがたる。今、俺は春野を抱きしめている。強く抱きしめると春野も俺の背中に腕をまわした。 どれ位抱きしめあっていただろう今がまだ昼だということもここがまだ玄関でしかも廊下だということも忘れてただただ抱きしめあった。 「蒼…蒼、」 春野の声にハッとして抱きしめていた腕を離した。 「入るか」 「う、うん。」 春野の手を引き中に入ると玄関の鍵を締める。そう言えばまだ言ってなかった。春野がいないとこの家には無縁なそれ 「おかえり」 「ただいま!」 『ただいま』 その言葉に本当に春野が俺の所へ帰ってきてくれたことを実感する。 俺はもうこの手を離さない

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