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第122話

リビングに入ると中はあまり変わってなくてやっぱりここへ落ち着く場所だと思った。 本当に帰って来れたんだ、そう思うとほっとした。 これでずっと蒼と居られる。安心して気が緩んだのか少しぼーっとしてしまった。すると蒼が少し焦った顔で俺の頬を撫でる。 「どうして泣いてるんだ」 「え?」 蒼に言われて目元を触ると少し湿っていた。 「ここに戻ってこれたのが嬉しくて、蒼とまたこうやって居れるのが嬉しい。」 本当にずっと不安だった。毎日じゃなくてもお互いの時間があれば電話やメールをしていても4年も会わないと心が離れてしまわないか、俺が居ない間に蒼に気になる人が出来たらどうしよう、そう考える時もしばしばあった。でも、玄関での蒼や蒼の言ってくれ「おかえり」俺の不安を消してくれる。 ああ、今すぐ蒼を感じたい… 「蒼…ッ!!」 俺は耐えきれなくなって蒼の胸に飛び込んだ。涙が止まらなくて蒼の服にシミが出来ていく。 「蒼…好きっ、大好きぃ…!」 蒼の暖かい手が俺の髪を梳く。その手は次第に下に降りてきて俺の頬へと添えられた。蒼の手によって顔が持ち上げられ蒼と目が合う。きっと今俺は酷い顔をしているんだろう。 「春野、愛してる」 そう言われると同時に俺と蒼の唇が重なる。好きで好きで堪らない。4年という時間は俺達にお互いと大切さを教えてくれた。

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