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第18話
「ここ……ですか……」
「そうです、行きましょう」
連れてこられたのは郊外にあるテーマパークだった。
アトラクションの数も多く、多彩なショーやパレードで来客を魅了する老若男女に人気の施設だ。
まだ午前中という事もあり、ゲートの前には家族連れや友達、恋人と来ているだろうグループが多く混雑していた。
予想外の場所にミオは呆然と、ハロウィン仕様に飾られたゲートを見上げた。
「行きましょうって……あ、あのオレそんなにお金持ってきてなくて……」
「あぁ、そんな事ですか、犬塚君は僕に着いてきてくれればいいですよ、はい、どうぞ」
「……」
テーマパークの入場パスは名刺サイズのカードで、パークのキャラクターの写真がランダムで入っている。手渡されたのはパークのメインキャラクターとも言えるうさぎのバァニーだ。
「後で請求したりしませんから、ほら、兄さんの所へ急がないと」
「……はい」
請求しないと言うが今日初めて話した同級生に奢って貰ってもいいものか。確か入場券は5,000円以上するんじゃないかな……お小遣いから出せなくはないけど手痛い出費だ。
ツバキは苛ついたような顔で、ミオの手を引くとさっさとゲートに向かい歩きだした。
パスのQRコードを翳し中へ入ればそこは別世界だった。
楽しそうな音楽が流れ、異国情緒あふれる建物が立ち並ぶ入口付近のアーケード街には土産物屋や飲食店が立ち並ぶ。そこは既に沢山の人達で賑わっていた。
「あ、バァニー……」
「ほんとだ……」
このテーマパークのメインマスコットであるうさぎのバァニーと恋人のピンキーの二人がグリーティングをしている。
自然と二人の足は止まり、人垣の中心にいるバァニー達を眺めた。
「可愛いなぁ……」
さっきまでの険しかった表情を一転させ、ツバキはバァニー達を見つめた。
「……ところで、どこへ行くんですか?」
「ん……あ、あぁ……地図……念のため確認しよう、久しぶりだから迷うかも知れない」
「オレも久しぶりです、中学の時に友達と来たな」
「……そうか……僕は小さい頃に来たきりだ……ここ、このジェットコースターの辺りにいると連絡があった」
「連絡?先輩から?」
「違う」
入口に置いてあった地図を広げ目的地を確認する。春夏秋冬の4つのテーマに分かれたエリア、夏のエリアにサクラはいるらしい。
「えーと、今が春のエリアだから……夏っていうと岩山のジェットコースターとかがあるところか」
「それならここから……こっちに抜ければよさそうだね」
「はい、そうですね」
同い年ではあるが、面識がなかったので何となく敬語になってしまう。
「では行こう」
「はい」
地図を手に二人はサクラがいるであろうエリアを目指した。
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