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第34話

 翌朝目覚めても、寮を出て学校に着いてからも、授業中も何だか夢見心地のままに時間が過ぎていった。  昨日の出来事は夢ではないと自分に言い聞かせながら放課後を迎えた。  いつもの日常。校庭を走りながら青空を見上げる、そこに花火はない。  これは現実で昨日も現実。  体を動かしようやく心も落ち着いてきた。  そうすると、サクラに会いたい気持ちが心の中に強く芽生える。  部活のない3年生のサクラはきっともう帰宅している筈だ。  今日は校内で見かけなかった。3年と1年では使う校舎の範囲も違うから当然と言えば当然だ。偶然すれ違うなんて滅多にない。  だけど、会おうと思えば会える距離にはいる。  明日教室まで行ってみようか?クラスは分からないが、弟のツバキに聞けば分かる筈だ。  だけど、会って何を話す?何を話せばいい?  ただ会いたくて来た、というのは理由になるか?   「犬塚!ぼーっとしてるな!ノック行くぞ!」 「はっ、はい!」  ランニングの後はコーチのノック練、この後はランナーを置いての守備練習。今日、サクラに会いに行く時間はない。  そういえば、今更だがサクラの連絡先を知らない。聞いておけばよかった。聞いたからと言って連絡出来るかは分からないが、知っているのと知らないのとでは気持ちの持ち方が違う。  次に会った時に連絡先を聞いてみよう。断られる事はないだろう。  この時は連絡先を聞くのがあんなに大変な事になるなんて、思ってもみなかった。  

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