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第2話

店長からの返事は早かった。 「・・・よかったぁ」 明日からまたシフトに入れる。 ファストフード店でバイトをする春は、何度となく店長の配慮に救われてきた。 発情のサイクルはおおよそ予測できるものの、ストレスや体調の変化、季節の変わり目などでずれてしまうこともある。 急な発情でシフトに穴を空けてしまってもクビにされることなくバイトを続けていられるのは紛れもなく店長の理解のおかげだった。 「俺さぁ、ドラマでやってた運命の番ってのに憧れているんだよ。まぁ、俺はβだから関係ないけどなんか応援したくなっちゃうんだよね」 と採用面接で言われて以来、本当に良くしてくれていた。体調を気遣ってくれたり、 「はるくんは痩せすぎなんだよ。若いんだからもっと食べなさい」 と売れ残った商品を内緒で持ち帰らせてくれたりする。 店長の好意が例えドラマの影響だったとしても、進路が閉ざされ生活が困窮していた春にとっては感謝しても仕切れないほどだった。 明日からまたバイトだ。 生活のために朝から晩まで働かなくてはならない。今日のうちに溜まった洗濯や掃除を済ませてしまいたい。 春は締め切っていたカーテンを勢いよく開けて窓も全開にする。 「・・・なんだよ、雨じゃん」 せっかくのヤル気が一瞬萎みそうになったが、頬を両手でパチンと叩きだるい身体に気合を入れ直す。 「よし・・・やるか」

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