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第7話
圭吾は猫の目のような形のいい、意思のはっきりとしたアーモンド型の瞳をしていた。
薄い唇と華奢な体。
ほっそりとしたそのシルエットが愛おしかった。
「………」
ぽかんと口が開くとはこういう事を言うのだろうか?
壱をちらりと見ると、彼にしては珍しく眉間に皺が寄っている。
「バイト希望のシマキケイトです」
フラミンゴピンクの髪を揺らして、彼はぺこんと小学生のようにお辞儀をした。
前髪から、猫のような印象的な瞳を覗かせて……
バックルームで壱と膝を突き合わせて座る。
「近くないですか!?」
「問題は他にある」
「恭司さんが我慢するかしないかです」
両手でバツを作って見せると、壱は鬱陶しそうにその手を掴んで丸にしやがった。
こいつは本当に……オレを雇い主として認識してないらしい。
「早いとこ人増やさないと俺また留年ですよ。そうなったら責任とってくれるんですか!?」
そう言えば壱は圭吾と同い年だったなぁと思っていると、苦々しそうな顔のまま立ち上がった。
「留年は自分が悪いんだろっ!」
「とりあえず試用期間で雇いましょう!」
「やだ!」
「我儘言わない!開店時間も迫ってるんですから!はい!店に戻りますよっ」
どちらが雇い主か分からない態度で首根っこを掴まれて引きずられる。
その手を振り払い、苦々しい顔の壱を睨み上げた。
「っ!!分かるだろ!?」
「分かりますよっ!!……あの子が圭吾に似てるって事ぐらいっ!!」
噛み締めた唇が物語る。
ああ、壱は仲が良かったもんな……
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