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第33話

「…………」  気まずさに謝るタイミングを逃してしまった。  ただ立ち尽くすオレにのんきな声が届く。 「  んもぉ~っ」  涙目の計都はぱっと起き上がると、ピンクの頭をかくりと傾げながらオレの前に立つ。  謝らなくてはと思いながらも口は開かず、どうしてあんなに腹が立ったのかわからない頭は固まったままで…… 「テーンチョ!そんな妬かなくても、俺のアナはテンチョの物ですって!」  ね?と同意を求めて計都はオレに抱きついてくる。 「……」 「テンチョがぐっちょぐっちょにしてくれないとね?」  ふわりと喉元をくすぐるピンクの髪を掴んで上を向かせる。  何故、たった今乱暴にされた人間に笑いかける事が出来るのか…… 「ぅん?」  その目に、圭吾がオレに向けていたような感情は欠片としてない。  読みきれない表情が、分からずに眉尻を下げた。 「もう妬かないでね!ちゅっ」  えくぼを見せる笑顔でそう言って伸びあがった計都は、オレに軽いキスをした。  襲われたんだと分かった時には、ソレの支配する本能に理性が屈服していた。 「  ナニ、やって    っ」  布団を跳ね飛ばすと、足の間に蹲るフラミンゴ頭が上下に揺れている。 「 ナニ、って、ナーニー  ?かな?」  ぺろぺろとアイスでも舐めるように舐められ、駆けあがってくる悪寒にも似た震えを逃そうとするも失敗した。  オレのソレが分かったのか、満面の笑みはえくぼ付きで酷く腹立たしい。 「昨日はゴホーシしてもらったから、今日は俺ね~」  柔らかな髪を掴むが、無理に引き離そうとした瞬間にモノに歯が掠って手を離した。  どちらにしろ、計都のソレは巧みで……  降伏の道しか見えない。 「  っクソ!!」  腰の上で上下するフラミンゴの様な頭を掴み、驚く計都を無理矢理押さえつけて口の奥まで突き入れる。

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