34 / 101
第33話
「…………」
気まずさに謝るタイミングを逃してしまった。
ただ立ち尽くすオレにのんきな声が届く。
「 んもぉ~っ」
涙目の計都はぱっと起き上がると、ピンクの頭をかくりと傾げながらオレの前に立つ。
謝らなくてはと思いながらも口は開かず、どうしてあんなに腹が立ったのかわからない頭は固まったままで……
「テーンチョ!そんな妬かなくても、俺のアナはテンチョの物ですって!」
ね?と同意を求めて計都はオレに抱きついてくる。
「……」
「テンチョがぐっちょぐっちょにしてくれないとね?」
ふわりと喉元をくすぐるピンクの髪を掴んで上を向かせる。
何故、たった今乱暴にされた人間に笑いかける事が出来るのか……
「ぅん?」
その目に、圭吾がオレに向けていたような感情は欠片としてない。
読みきれない表情が、分からずに眉尻を下げた。
「もう妬かないでね!ちゅっ」
えくぼを見せる笑顔でそう言って伸びあがった計都は、オレに軽いキスをした。
襲われたんだと分かった時には、ソレの支配する本能に理性が屈服していた。
「 ナニ、やって っ」
布団を跳ね飛ばすと、足の間に蹲るフラミンゴ頭が上下に揺れている。
「 ナニ、って、ナーニー ?かな?」
ぺろぺろとアイスでも舐めるように舐められ、駆けあがってくる悪寒にも似た震えを逃そうとするも失敗した。
オレのソレが分かったのか、満面の笑みはえくぼ付きで酷く腹立たしい。
「昨日はゴホーシしてもらったから、今日は俺ね~」
柔らかな髪を掴むが、無理に引き離そうとした瞬間にモノに歯が掠って手を離した。
どちらにしろ、計都のソレは巧みで……
降伏の道しか見えない。
「 っクソ!!」
腰の上で上下するフラミンゴの様な頭を掴み、驚く計都を無理矢理押さえつけて口の奥まで突き入れる。
ともだちにシェアしよう!

