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第34話
いきなりのオレの行動に顔をしかめ、ぐ ぐ と喉を鳴らす顔を見下ろしながら自分勝手に押し付け、その喉の奥に射精する。
「ぅ……っンっ!!」
言葉もかけず、突然の射精で咳き込んでいる計都の足を掴み、咳をするたびに跳ねる体の中心を鷲掴む。
「 ゃっ う……」
しっかりと反応したソレを強く扱き上げると、切れ切れの悲鳴が上がり、そのアーモンド形の目からはぼろぼろと涙が零れて水溜まりを作り、あっと言う間にオレの掌の中に吐精した。
それを指先に集めて計都の口へと運ぶ。
「舐めろ」
乱暴にイかされて意識が朦朧としているのか、計都は従順に言われた通りに舌を出して舐め始める。
抵抗もなくぺろりぺろりと舐められて綺麗になって行く指先を見ている時にするりと言葉が漏れた。
「……どうしてこんなことをするんだ?」
目を軽く瞬かせた計都は、そう言う時間が終わったのだと悟って指から口を離し、首を傾げて見せる。
「テンチョ?」
「苦しかったろ?……辛かったろ?……ど」
「どうして」と問う前に、計都はニコリと笑う。
こちらが面食らう程のその笑みに訳の分からない恐怖が沸いてくる。
「テンチョは、出す位には、気持ち良かった?気持ち良くなかった?」
顎を伝う残滓を見せられ、ただオレは頷くしかできない。
「テンチョがそうならいいじゃん」
ケタケタと笑うと、計都はオレの腕を引いて風呂に行こうとせがみ始める。
オレはただ、さっき計都の言った言葉が上手く飲み込めなくて、ぼんやりとしながら風呂場へと連れて行かれた。
オレがいいならいい?
互いの体に触れるのはそう言う物なのか?
折れた腕、
体に残る火傷の後、
精液を飲むことを拒まない態度が物語る計都の性生活。
今までずっと、彼はそう言う相手が良ければいいと言うセックスばかりしていたのか?
「テンチョ!泡ください、あーわ!」
「じっとしてろ、目に入るぞ」
ばたばたと椅子に座って足をばたつかせる計都の髪を洗う。
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