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第55話

 小さなソレは口の中に迎え入れてやるとあっと言う間に容量を増し、喉の奥を突いてくる。 「そっち、ばっかじゃ 嫌だ」  布を噛み締めた為に喋りにくそうだったが、そうはっきりと告げて身を捩った。 「こっちでイきたい」  テーブルに倒れ伏し、女のそれとは違う小ざっぱりした曲線を持つ尻を突き出す。  ゆらりと卑猥に動かされるそれは、オレの欲をそそるには十分だったが……  キッチンに置いてあるオリーブ油を手に取り、掌に乗せて温めてからアナへと塗り込める。  指を入れてピストンをし、油を足してまたピストンを繰り返す。  垂れた油が室内灯の明かりを吸いながら腿を伝いながらパタパタと床に落ちた。 「あ ぁ……っも、テンチョ  も、いい……」  二本目を入れた段階で堪らなくなったのか、黙々とソコを解すオレに恨みがましい目を向け形の良い唇をつんと尖らせた。  赤く染まり、オレの指で皺を伸ばされたソコをぐるりと大きく揺すってやると、声を上げて突っ伏する。 「やぁ!  あ…っ」  ぶるりと肩が揺れる。  ぐち ぐち と油と粘膜の擦れる音がし、テーブルにしがみついた計都の体か細かく震えた。  脳を揺さぶる快感に震えながら耐える姿は、加虐の心を強めさせる。 「こっちで、イきたいんだったな。前は触らないから、存分に堪能してくれ」  ぎりぎりまで引き抜き、その奥のしこりを目指して一気に突き入れる。  指を全て埋め、絡む襞を掻き分けるようにばらばらに動かしてはまた再びしこりを攻めた。 「や…、あ……ア、ア  っぅ」  油が伝い落ちていく。  涙のようにぱたりぱたりと音を立てるソレ。 「 ひぐ、ゃ  あ、ぁぁぁ! なんでっ」  責め立てる手に対して漏らされる声はすでに喘ぎではなく悲鳴に近くなり、言葉と言う形を取らなくなってくる。  左手がもがき、艶のあるテーブルの天板をキィと引っ掻く。  使えない右手が、ぎこちなく動いて空を切った。 「イ、きた……ひぃっ! あ、ぁン!ぃ…」  床に落ちる雫に白濁が混じった先走りが加わり、計都がだんだんと追いつめられていくのが分かる。  ピンクのふわふわとした頭が汗と涙で濡れて頬に張り付く。  淫蕩に蕩けながらもオレに犯される事を諦めていない目を見たくなくて、シャツを脱いで計都の頭を覆った。 「ぃ!?」  剥ぎ取ろうと伸ばした手を押さえつけて体に覆いかぶさり、圧倒的体格差を利用して圧し掛かる。 「ぃ、ぃや…ぎ……ぅ   ンっ…あああああぁぁぁぁぁっ!」  体の下の計都が魚のように跳ね、シャツで覆われたせいかくぐもった悲鳴を上げて達した。  床に勢いよく飛んだ飛沫の音と小さな嗚咽。 「   さ、体を拭くぞ」  そう言ってタオルを取りに行くふりをして計都を見ないように背を向けた。  ちくりと、背中に感じる視線。  何故、そこまでオレを求めるのかわからないその目が、正直怖かった。

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