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第3話(しずく)

「おー、漏らせた?」 と、祈織さんに連絡すると あっけらかんといわれてちょっとイラッとした 『漏らせたじゃないですよ!なんですか、これは』 「なんですかって説明しただろ。着替え持ってくからシャワー浴びて待ってろ」 と、電話を切られて いつまでも下半身びしょ濡れは気持ちが悪いから シャワーを浴びに向かう なんだ、おもらし専門デリヘルって シャワーを浴びて 腰にタオルを巻いて出ると 「おー、盛大にやったな」 と、祈織さんは おれの水溜まりを指さして言った 『ちょ!見ないでください!』 「はい、着替え。初めてにしては上出来じゃん。宮城様大喜びでフル勃起しながら帰ってったし」 『むうぅ、』 と、不満に思いながら 着替えを奪いとり パンツに脚を通した 「何怒ってんの」 『そりゃ怒りますよ!』 「なんで?」 と、タバコに火をつけながら 首を傾げる祈織さん あれ、この人無駄にかっこいい顔面してんな 『だって!おれ聞いてないですよ!そ、その!おもらし専門なんて!』 「言わなかったっけ?」 『聞いてないです!接触も無くてお話するだけだって!』 「接触無かったろ?」 『そうですけど!おもらしなんて聞いてたらやらなかったです!』 「そうなの?え?おれまじで言ってない?」 『言ってない』 「じゃあなんで漏らしたの?」 『そ、それは、…コーヒーのませるから、』 「は?ガチで素で漏らしたの?」 『うっさい!』 「は、残念、膀胱ゆるー。ガチおもらし普段からしちゃうやつ中々いないんだよね。だから宮城様あんな喜んでたんだ」 『うっさい』 「才能じゃん」 『ちがう』 「だせえー。まぁ昨日も漏らしてたから向いてるかもって思ってたけど」 『うるさい』 「もうやんないの?」 『やんない』 「ふーん、はい。日給」 と、手渡しでお金を渡されてそれを見る 『…こんなに、』 「で、やんないってことは家も出てくってことでいい?2万なんてすぐなくなると思うけど」 『…そ、それは』 「お前家は?」 『…無くて、』 「もうちょいやってみたら?金溜まるまで」 『で、でも』 「お前に振る仕事は俺考えてできるだけ条件良い奴にするし。今日の宮城様だっていい人だったろ?」 『う、うん』 「…帰る?家」 『か、かえる』 と、思わず頷いてしまった だって、 確かにおいしい仕事だったし あと、何回かやれば そりゃものすごくはずかしいけど… で、でも、 そういうプレイって割り切れば… 触られる訳じゃないし 「雫、学校は」 『あ、えっと、明日から行く』 「ふーん、」 と、ホテルの部屋を出ようとする祈織さんに おれは服を着て必死について行く 『へや、片付けなくていいの?』 「クリーニング業者呼んでるから」 『あの、この汚れちゃった、服は?』 「事務所にランドリー施設あるからそこの担当の人に渡せばいいから」 『う、うん』 と、ついて行って 家に帰る前に事務所に寄る 事務所っていうからヤ〇ザの事務所みたいなところ想像してたけど 普通の会社のオフィス見たいなところで ランドリー担当の人によごれた服とか渡すと 当たり前のように受け取ってくれて でも恥ずかしくて顔が見れなかった 「しずく、ちょうどいいからちょっと説明してく」 と、奥の会議室みたいなところに通されて 座る コーヒーを出されたけどさっきの失敗から怖くて飲むのをやめた 「で、なにが聞きたい?」 『えっと、ここは、おもらし専門のデリヘルって…給料は1時間1万円?』 「あぁ。それにオプションで…コレな」 と、表を見せられる えっと、 基本料金 1時間10000円(2時間から) オプション料金(基本料金にプラス) 延長 30分 8000円から コスプレ 15000円 お片付け 30000円 外出 10000円 (野外の場合はオムツ着用) おねしょ 10000円 (できる場合のみ適用) 着衣なし 15000円 お触り 手 3000円 頭 5000円 顔 5000円 上半身 20000円 下半身 20000円 全身 30000円(全身割) …etc 本番、客の物を触る、キス 大は無し 『なんかめちゃくちゃある』 「慣れたらオプション有りも増やしていくか」 『慣れない!むり!』 「コスプレとかは服着てればいいだけだし、簡単じゃん」 『そ、それは』 そうかもしれないけど 「じゃあ帰るか」 と、祈織さんは 棚から何か大きな紙袋を持って おれに渡して 車に向かう 『これなに?』 と、中を覗こうとする 「しずくの着替えとか」 『ふーん、おれの?』 「あぁ、お前着替え持ってないじゃん」 『そうだけど』 「そんなんでどうやって生きてたの」 『えっと、先週までは家あったんだけど…あ、お金ないからボロ屋っていうか、知り合いから借りてたプレハブだけどね。それに住んでたんだ。そしたらこの前の台風で全部吹っ飛んだ。中身も』 「どんまい」 いや、そうだけど どんまいで片付けられてしまった 「まぁ下着とかは経費で落ちるし」 『そうなの?ラッキー』 やった、と車に乗り込んで 祈織さんの家に帰った

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