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第11話(しずく)

『祈織さん体調悪いの?』 風呂から出ると 机に水と薬のゴミが落ちていた 「んー、ちょっと熱っぽい」 『大丈夫?休んだら?』 「いや、今日お前の送迎もあるし」 と、いつも通り スーツを着ていた 熱っぽい、と言った割にそんな辛そうな顔とかしてなくて大したことないならいいんだけど 『昨日あのまま服着ないでずっといた?』 「……」 『無言は肯定と見なす』 どうやらそのようで この人けっこう馬鹿だな、と思ってしまう 『おれ今日先学校行くけど辛かったら連絡してよー?』 と、言い残して準備をして学校に向かった ◇◇ 学校に行き 授業を受け終わった頃にメッセージがひとつ入ってる事に気付いて 片付けをしながらそれを開く 熱上がったから帰る。 しずくの送迎、別の人が行くから。 ガタイいいおっさん と、細かい情報は一切なしの その連絡だけ入っていて心配になった 大丈夫? 帰りなんか買ってくから 欲しいものあったら連絡してください ガタイいいおっさんってなんですか? と、返信をしたけど祈織さんの既読はつかなくて 大丈夫かな、と思いながら校門を出ると 祈織さんがいつも車を停めている場所に 祈織さんの車と違うけど、高級そうな車が止まっていた あれかな、いやまさか と、思っていたら 中からガタイいいおっさんが出てきたから あれだ、と思って近付く 祈織さんの ガタイいいおっさんって表現が的確すぎて ジャケットは来てないけど スーツのワイシャツ越しでもわかるくらい筋肉ある感じで身長も高い 祈織さんよりちょっとだけ高いくらいかもしれないけど祈織さんより筋肉がある分 大きく見える ガタイいいおっさんだ、これ 『あの、しずくです』 「あぁ、お前?シバの言ってたガキ」 しば、って そうか、祈織さんの苗字 確か志波さんだった だからこの人が言ってんのが祈織さんって事がわかってうん、と頷く 「ほら、乗って」 と、言われ 後部座席に乗る 「お前何歳なの?未成年?」 『えっと、23です』 「へえ、若く見えんね。あ、今日の依頼人の資料そこにあるから読んどいて」 『は、はい』 祈織さんはいつも口頭で説明してくれるけど この人は自分で読ませるタイプなんだ、とおもいつつ資料に目を通す 『えっと、外出?』 「そう、水族館デートだとよ」 『水族館デート』 「だから着く前にそこのオムツ履いといて」 『え、ここで』 「マジックミラーになってるから外から見えねえよ。ズボンもそれ替えるように」 そういう問題じゃ、とおもいつつも のろのろと靴をぬぎ始める ズボンは細身で、 けっこうお尻のラインとか見えちゃいそうで心配になった 『どんな人なの?』 「確か俺ぐらいの年齢だったか?よく知んねえけど」 『ふうん、』 おれはおっさんが何歳かもよくわからないけど 「あとオプション入ってるから漏らすときちゃんと依頼人に言ってね」 『え、そんな』 「あと、外出の場合、他人に見えないようにならおむつ越しに手当ててもいいことになってるから」 『なんで、』 「当たり前だろ、わかんないんだから、おむつ履いてたら」 『そ、そうだけど』 「あと10分くらいで着くからさっさと着替えちゃって」 と、言われ しかたなくその場でズボンとパンツをまとめて脱ぐ みられてないよな? まぁあのガタイいいおっさん、前向いてるし 『おっさん、初めて見たけどなんの人なの?』 「えらい人」 『ふーん、』 偉い人かとぼんやり考えた まぁ車も高そうだしな と、信号で止まったタイミングで おむつに脚を通す 「ちっさ」 『見んなばかやろう!』 「あと外だと出にくい人かいるからそれ飲んどいて」 と、言われ紙袋の中を見ると 『お茶?』 「悪いもんじゃねえよ。ちょっと利尿作用高めのお茶」 『ふぅん』 まぁコーヒーとかぐらいだろ、とおもいつつ がぶがぶとお茶を飲む お、意外においしい、このお茶 たしかに、そとで 他に人がいる所でおもらしとかした事ないんだけど ちゃんとできるのかな そして、履き替えたおむつとズボン やっぱりけっこう細身のズボンだったから おしりがちょっとモコモコしてるのが外からわかってしまう気がしてソワソワする ちょっとだけ上のシャツを引っ張って隠した そして、まもなく水族館について 依頼人を待つ 今日の依頼人は 企業勤めの眞鍋さん 特に呼び方の指定とかは無くて 普通にデートを楽しみたいらしい 普通にデート楽しみたいならおもらしなんて しなくていいのに、とおもいつつ 指定された場所で待つと 「しずくくんかな?」 と、言われ顔を上げると 『レイニーカンパニーのしずくです。眞鍋さんですか?』 「あぁ、よろしく」 と、言ったのは スーツを着てちょっと高そうな腕時計をした いかにもいい会社に務めてそうな人だった 『よろしく、おねがいします』 「行こうか」 と、言われ チケットを買ってもらい 中に入る 「しずくくんは水族館とか行くのかな?」 『おれはあんまり、小さい頃以来かもです。眞鍋さんは?水族館すきなの?』 「あぁ、シャチやサメとか大型の魚が好きでね。熱帯魚は家で飼ってるけど大きいのは見れないだろ、こういうところ来ないと」 『たしかに』 「しずくくんは、好きな魚とかいるのかい?」 『えっと、えんがわ』 「ははっ、食べる方が好きか」 『えっと、知らないだけで!教えてください』 「そうだね」 と、入り口のすぐ横にあった売店で 眞鍋さんは飲み物を買ってくれた 「何が飲みたい?」 『えっと、コーラ』 「コーラ1つと、ペリエで」 と、売店の人に注文していて ペリエを頼むあたり大人だった 「はい」 『ありがとうございます』 と、コーラ1つを受け取って口をつける 「何から見るかい?」 『えっと、サメ!眞鍋さんの好きなやつ』 「よし、じゃあサメから行こうか」 と、サメのゾーンに向かう 平日の夜の水族館は そんなに混んでなくて どちらかといえばカップルみたいな人がおおかった たしかに、薄暗いから 雰囲気いいのかもなー そして、みんな自分の世界に入っているから 周りの目とか気にならないし ズズズズ、とコーラをストローで吸いながらぼんやりと考える 『あ!さめ!エイもいる!』 と、トンネルみたいな大きい水槽の仲を泳ぎ回る おおきなサメ たしかに、かっこいい、サメ 水槽に手をついて 必死に覗き込む すげえ、泳ぐのはええ 『すげええ、眞鍋さんは?どのサメがすき?』 「アカシュモクザメかな」 『どれ?』 「あれだよ」 と、指さすほうを見ると うん、普通のかっこいいサメがいた 『おれ、あれ知ってる!ハンマーヘッドシャークだ』 「よく知ってるね、偉いなぁ」 『そうかな!』 よかった、ちょっとでも知識があって、と 内申ガッツポーズをした 『エイがきた!』 エイは知ってる、裏側がかわいいから 『かわいいなあ』 「楽しんでるかい?」 『うん!楽しいよ!』 テレビでしか見たことない魚、 実際に見れるのって楽しいんだな、と ワクワクしっぱなしだった 「次は熱帯魚コーナー行くかい?」 『うん!あ、その前にこれ、捨ててくる』 と、ゴミ箱をみつけて 飲み終わったコーラの紙コップを ゴミ箱に捨てた そして、さっきとちがって 小さめの水槽に キラキラとしたカラフルな魚が泳いでいるコーナーについた 『すげえ、色んな色いる!』 小さな水槽の端っこで こぽこぽ、と空気送る機械みたいなやつがうごいて水がぶくぶくとした その水を見た瞬間 なにか背中にぞわ、とした物を感じる 「しずくくん、これみて」 『あ、はい!』 と、呼ばれて見たのは なんか映画で見た事がある オレンジと白の魚だった 『こいつ知ってる!』 「有名だよね、俺が飼ってるのこいつ」 『へええ、綺麗だなあ』 と、食い入るように見つめた ちっさくて、かわいい、この魚 色もきれいだし 水族館好きになる気持ちわかるな、これ 「しずくくん、こっちにもキレイな魚いるよ」 『わ!ほんとだ』 と、無中になって魚を見ていて チンアナゴの水槽を覗いた時だ ブルブルブル、と背筋が震えた 『あ、』 「どうかしたかい?」 『な、なんでもない』 おしっこ、したくなってる しかも、もう結構したい 今まで気づかなかったのが不思議なくらい 切羽詰まっていた 魚に無中になりすぎて、忘れていた 水槽に視線を合わせるようにしゃがみこみ かかとで股間をぐりぐりと押さえつける ちょっとだけ、ましになった、と ゆっくりと立ちあがるけど やっぱりおしっこがしたくて 少しだけ膝を擦り合わせた 「しずくくん、この魚を見てくれよ」 『あ、はい!』 と、言われた魚を見に行くと説明をしてくれる 漏らすとき、言わなきゃいけないんだっけ けど、こんなに説明してくれてるのに おしっこしたいなんて言えなくて 膝をすり合わせ 眞鍋さんが魚を見ているタイミングで ばれないようにきゅ、きゅ、と先っぽを摘む おむつをしているから抑えにくい、 つまんでも、しっかりおさえられないから 尿意はいっこうに収まらなくて それどころかびっくりするぐらいのスピードで強くなっていって 頭の片隅にあのお茶が現れた あいつか、あのお茶のせいか! がぶがぶ飲むんじゃなかった!と、後悔しても後の祭りだ 1ヶ所に止まってぴちゃぴちゃと動く水面を見ているのが辛くて ちょっとだけ足を動かす 「飽きちゃったかな?」 『あ、ち、ちがいます!』 「そう?じゃああっちに深海魚のコーナーあるからそっち見に行こうか」 『は、はい』 せっかく説明してくれてるのに、 集中しなきゃだめだ、とぐっ、と尿意を我慢して 眞鍋さんについて1歩踏みだす そのときだ チョロ、と少し水が零れた感じがして 足を止める 僅かにへっぴり腰になりながら 股間に手を持っていった所で気付いた ここ、外だ 他にも人がいる いくら薄暗くてみんな水槽に無中だとしても 見てる人がいるかもしれない 見られたくない、と ゆっくりと手を放し 背すじを伸ばそうとする すると、 「もしかして、おしっこ?」 と、耳もとで眞鍋さんがいうから 恥ずかしくなって ぶんぶんと首を振る 『ち、ちが!』 「だったらいいけど、次行くよ?」 『う、うん!』 平静を装い着いていくけど いっぽ、足を踏み出すたびに じょ、じょ、とちょっとずつ零れている気がする ようやくついた深海魚のコーナーは 他に人がいなくて さっきより暗い 「この魚はね、目がほとんどないんだ」 と、説明してくれる魚を見るように しゃがんで水槽に手をついて 踵で先っぽを押さえつけた ぐりぐり、とお尻を振っていると ちょっとだけおしっこしたいのがマシになる 「あっちのは」 と、眞鍋さんが反対側の水槽を指さすから行かなきゃ、と括約筋に力を込め ゆっくりと立ち上がった時だ じょろじょろ、と多めの量が零れて おもわず両手で股間を押さえる 「しずくくん?」 へっぴり腰で、両手で股間を握って もう限界ポーズを見られてしまった 『ま、眞鍋さん、お。おしっこ、もれちゃ、う、』 と、必死に伝えるけど恥ずかしすぎて 最後は消え入りそうな声だった 「いつから我慢してたんだい?」 『えっと、気づいたのは、チンアナゴの時だけど、そのときはもうけっこうしたくて、あの、おしっこでちゃいそう、』 「ここで、漏らすのかい?人が来るかもよ」 『でも、えっと、といれ、行きたいです』 「行けるのかな?そんな、抑えてないともう出ちゃうんでしょ?」 『で、でも!』 「しずくくん、手を離してごらん」 『えっと、でも、』 「ほら、ゆっくり。両手を離せたら、トイレに行ってもいいよ」 『えっと、あ、』 離さなきゃ、漏らしてないって、見せなきゃ トイレいきたい、といれ、いきたい 膀胱はもうパンパンで お腹がぽっこりしてる感じがする ゆっくり、片手ずつ離すけど へっぴり腰のままで 眞鍋さんの顔を見ると 眞鍋さんはおれの股間に手を添えた その行動に驚いて ビクッと背筋が震えてしまう その瞬間 びゅ、とおむつの中におしっこが飛び出して いっきに溢れかえる じゅわじゅわ、と少しずつ吸って膨らんで行くけど それより出る量が多くて おむつの中を渦巻く水流は きっと服越しに眞鍋さんの手に伝わっているだろう 「出てるね」 『い、言わないで』 「温かいよ、しずくくん」 全部だし終わって、 おむつがもこもこに膨らみきるまで 眞鍋さんの手はおれの股間に添えられていた 『あ、』 「どうかしたかい?」 『ちょっとだけ、漏れちゃった』 と、股の下がほんの少し湿っている事に気付いて恥ずかしくなる 「…たくさん、出たんだね」 と、眞鍋さんは優しく言ってくれた 恥ずかしくて、死にそうだ

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