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第12話(しずく)
あのあと、ガニ股で歩く俺を見かねた眞鍋さんが
お土産コーナーで魚の絵が描いたパンツを買ってくれて
トイレで着替えて
まだちょっと時間があったから
水族館を満喫して解散した
「おー、おかえり。どうだった」
『あのおちゃ、やばい。もう飲まない』
「そんな効果でたか?」
『めっちゃおしっこでてズボンちょっと濡れた』
「だせぇ」
と、ガタイいいおっさんは言った
「このまま帰んの?」
『帰る。コンビニだけ寄って欲しい』
「シバのとこ住んでんだろ」
『うん、だから、なんか買ってく。飲み物とか』
「飯は」
『なんか作る』
「へえ」
と、おっさんは前を見て運転をはじめた
『祈織さん、大丈夫かな』
「まぁ、熱高かったから寝させたけど。薬入れたしそろそろ下がってんじゃね」
『朝も薬飲んでたけど』
「あいつ薬効きにくいんだよ、体質的に」
『ふうん』
「だから座薬突っ込んでやった」
『ざやく、』
祈織さんの、おしりに
この人が…
なんて事をするんだ、全く
『おっさん、祈織さんと付き合い長いの?』
「聞いてねえの?俺の事」
『聞いてるよ、ガタイいいおっさんって』
「…あいつ…まぁ、付き合いの少々長いガタイいいおっさんだ」
『ふうん』
付き合い長いんだ、
まぁ、薬効きにくい体質とか知ってるし
それなりに付き合い長いんだろうなとおもいつつも
前を向くと
道が混んでいる事に気づく
「お前、シバに拾われたの?」
『うん、まあ』
「へえ、あいつがねえ」
『なんで?』
「べつに」
『なんだよそれ』
なんか、このおっさん
余裕ありすぎって感じでむかつくな
『おっさん、祈織さんと付き合い長いってことは、祈織さんが漏らしてた頃もしってんの?』
「あぁ、まあなー」
『へえ、どんなんだった?』
「エロかったよー。元からエロい顔してるけどさ。あいつ。それにかわいかったな、あの頃は」
『たしかに、祈織さんセクシーだよね』
「気になんの。あいつの事」
『そ、そりゃ、まぁ』
あんな夢も昨日見てしまったし、
そりゃ気になる
「あいつ、ネコだよ」
『ねこ?』
「犬のくせにネコ」
『なに、ネコって』
「しらねえの?タチとネコって」
『え?』
「ようは女側、受け。入れられる側ってこと」
なにを、と思ったけど
話の流れでピンと来て
想像してしまう
祈織さんが、ネコ、
その言葉の破壊力に
夢の中の祈織さんまで出てきて
顔が熱くなる
『い、祈織さんが、』
なんで、そんなこと知ってんだよ、と
おっさんの顔を見た時に気づいた
『おっさん、』
「なに」
『おしっこ、もれそう』
「は!?」
『おっさんが変なお茶飲ませるから!』
「早く言えよ!ここらへんコンビニとかないぞ!」
『えぇぇ!むり、もう出る』
「後ろの袋の中!予備のおむつあるだろ!それにしろ!」
『は!?やだよそんなの!』
「やだって漏らす気か!この車、いくらすると思ってんだよ!」
と、言われてしまい
そんな事言われたら諦めて履くしか無いから
くそう、と思いながらズボンを脱ぐ
『コンビニとか見つけたらすぐ止まってよ!一応履いとくだけだから』
「わかってるって」
と、恥ずかしくて大変不本意だけど
この車汚したら大変な事になることはわかっているから
しかたなく、本当にしかたなく
おむつに脚を通す
『うぅぅ、おっさん、コンビニは?まだ?』
「あー、あったあった!3分くらいでつくから!」
と、ナビを見ながら言ったおっさん
3分か、
3分なら我慢できそう
なんで、こんなギリギリになるまで
おしっこしたいの、気づかなかったんだろ
おっさんが変な話するから
おっさんが変なお茶飲ませるからだ
『ううぅ、でるぅ』
と、下っ腹のぽっこりと膨らんだ辺りをさすった
膀胱がツキツキと痛む
そして、時折
きゅう、と締め付けられるような感じがして
その度に漏れないように先っぽに力を入れる
『おしっこ、もれちゃうぅ、』
「あー、道混んでんな、」
『やだ、早く。おっさん早く』
「しょうがねえよ、混んでんだから」
『なんでよぉ、でちゃう、出ちゃうかも』
と、もうほぼ限界でおっさんに見られて
恥ずかしいけど仕事でもないのに漏らしてるところ見られるよりはマシだ、と
ぎゅう、とちんこの先っぽを握った
『っぁ、』
じゅわって、した
「なに、出た?」
『ま、まだ、ちょっとだけ、漏れた』
「もうそこですれば?無理だよ。コンビニ着いたとしてトイレまで行けないだろ」
『やだ、』
なんで、おしっこ1日に2回も漏らさなきゃいけないんだよ
そのとき
また膀胱がきゅう、と痛んで
『ぁ、っん、』
じょろ、と少しだけおしっこが零れる
『で、そう、』
「もう出てんじゃねえの」
『でてな、ぁ、っでる、で…っでちゃ、でちゃうう、』
「しずく、もういいよ。漏らせ。慣れてるし、おれ」
『やだ、』
漏らしたくないのに
けど、
「しずく」
と、諭すようにおっさんが言ってくるから
おれはもう我慢が出来なくて
下半身から力が抜けていく
『ぁっ、あっ、…あぁあ、でて、でちゃったぁ、』
我慢したいしたいのに力が入らない
よく考えると
今日は漏らしてばっかりだ
朝、おねしょしちゃって
さっき仕事でも漏らしちゃって
今も、おむつの中で熱い液体が渦巻いている
『きもち、いぃ、』
ずっと我慢してたから
おしっこ出すのが気持ちいい
痛くてパンパンだった膀胱が軽くなって
尿道の中を熱い液体にすり上げられると
全身に力が入らなくなる
『は、っ、はぁ、』
「……全部でた?」
『…でた、』
「おむつから漏れてねえ?」
『ない、』
「よく頑張ったな」
と、おっさんはよくわかんないけど
慰めてくれた
そのタイミングで
ようやくコンビニについて
おっさんの車は
コンビニに駐車された
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