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第28話(祈織)

『あ、あっあぁ、』 朝トイレから出ると うちの子が廊下で水たまりを作っていた 「あーあ、何漏らしてんの」 『起きたのに、起きてたのに。祈織さんが入ってなかったら間に合ったのに』 「いや、そんな長く入ってないじゃん」 『だってえ、』 「早く風呂行っといで。俺片付けとくから」 と、朝からトイレに間に合わずに漏らした現場を目撃してしまったから 仕方なく片付けを引き受けて しずくを風呂に送り出す あれ、あいつ 俺のこと好きとか言ってなかったっけ なんか、あれ? それにしてはいきなり漏らすって。 まぁいいけど 片付けを終えると 今日は特に予定が無い俺は コーヒーをいれてソファに横になる しずくが学校に行ったら もう一度ベッドで寝るか そのまま今からここで寝るか そんな事を考えていたら しずくが風呂から出てきた 「お風呂、気持ちよかった?」 『うん』 「そっか」 『片付けをてくれてありがとう』 「うん」 ふへぇ、と気持ちよさそうな息を吐いていて 俺は目線をそらしテレビに視線を送る あれ、あいつ俺の事すきじゃないの? なんか普通すぎる まぁいいか 『祈織さんお休み?』 「うん。お前は学校行けよ」 『あ、じゃあご飯作ってくから食べて。何食いたい?』 「えー、なんでもいいけど」 『んー、じゃあ適当に作っとくから食べてよ』 「うん。つかお前時間あるの?」 『あるよ、今日2限からだし』 「ふーん、」 あー、眠い だめだ。 ベッドには行けなそうで このままソファで寝るのが優勢だった ちょっと腹減ったな、 あれ、食いたいな 「んんん、なぁ」 『んー?よんだ?』 「あれ、つくって」 『あれ?どれ?』 「んんん、ねむ、」 あいつが作った、 じゃーまんぽてと、 ◇◇ ピンポンピンポン、と激しくなるインターフォンで目を覚ました 「なに」 と、起こされたことにイライラしつつ 扉を開けると 「シバ、遊びに来た」 「いや。くんなし。忙しいだろ」 「寝てたの?」 「寝てた」 と、言ってリビングに戻るおれに勝手についてくる奴 「なに、なんで来たの?」 「シバ休みだって言うから遊びに」 と、いう男を無視して おれは しずくが作って行ってくれた焼きそばのラップを剥がす 「なに、温めねえの?」 「冷たくても食える」 「これなに、あのガキが作ったの?」 「うん」 冷たくてもまぁ食える 冷たくない方が美味しいだろうけど 「なぁ、あれ作って」 「あれ?」 「じゃーまんぽてと」 「お前あれ好きなー」 「お前が作ったのが、食いたい」 「しゃーねえなあ」 と、キッチンに立ったのは 俺の元飼い主だ 「なあ、なんで来たの?」 「お前昨日さっさと帰っちまうし」 「べつにお前に用事ないし」 と、キッチンの前に座って 料理をする男を眺める 「なぁ、見てねえで手伝えば?」 「むり、できない」 「食べ終わったならそれ貸せ」 と、俺の焼きそばを食べていた器を洗ってくれる 「なんであのちっこいの飼ってるの?」 「今更だろ」 「シバ、なんで?」 「……べつに。気まぐれ。俺を拾ったお前と一緒だ」 と、キッチンに回り込み じゃーまんぽてとを作る手元を覗き込んだ これを作っているのを見るのは何回目だろうか 何年ぶりだろうか 「近い、邪魔」 と、言われ 見るのをやめ冷蔵庫に手をかけた時だ 「なぁ」 「何、」 「シバ、」 と、後ろから服の中に手が入ってくる 「ちょっ、先に作れって」 「……後で作るからいいだろ」 「やだ。いま作って、っ、」 服の中を這い回る手を捕まえて出そうとするが、 スルスルと避けて 俺の肌の上を動いて 胸の飾りを掠める 「ちょっ、やだ、やめろっ」 「なんで?お前これ好きだろ?昔はなんも感じなかったのに」 俺より体温の高い手が 俺の肌を一瞬温め離れていく 「ちょっと胸筋大きくなったか?」 そう言いながら確かめるように揉まれて 時折胸の飾りを指で弾かれるから 身体がびくりと跳ねてしまう そして、 乳首のまわりを指でくるくると撫でられ 焦ったくて仕方がない 「触るなら、ちゃんとやれ」 と、身体の向きを変え 冷蔵庫に寄りかかるようにして あいつと向き合った 「舐めて」 と、服を胸の上まで持ち上げて 両方の乳首を見せつけてやる 「ペットの癖にご主人様に命令すんの?」 「俺はもうお前のペットじゃない」 「そーかよ、っ」 と、言ったや否や 「んんんっ」 湿っぽい音をさせて 俺の乳首にむしゃぶりつく 舌で唾を塗りつけるように舐められ 吸われて 口の中で転がされて 「っん、ん、んん、」 気持ちよくて 腰が少しぴくぴくと跳ねると カリ、と歯を立てられる 「シバ、気持ちいい?」 不意にくるその刺激がもっと欲しくて 「もっと、ん、っ、」 と、おねだりをして 俺の胸を舐める頭を抱きしめてしまう 「っはぁ、」 じゅるじゅると音を立てられるのが恥ずかしい でも、よけい気持ちいい気がする 腰がびくびくする 俺のあいだに入ってくる脚に 腰を押し付けて グリグリと擦り付ける こいつの脚、すき、気持ちいい 気持ちいい、 男なのに、胸舐められてるだけなのに 気持ちいい 気持ちよすぎて、むかついてきた 「きもちいい、ぁ、っやめろ、っっむかつく」 と、頭を押し返そうとすると ガリ、と乳首を噛まれた 「いって、え、ぁ、っっっ、ん」 びく、と腰が跳ねた 「あ、いった?」 身体中から力が抜ける びく、びくびくっと、断続的に身体が震えてしまう 「ばか、、このやろう、」 なんで、こんな乳首だけでいかされなきゃなんねえんだよ 付き合ってもないのに。 「シバ、俺の所に帰ってくれば?」 「……帰らない」 ふん、とそっぽを向いて横を通って リビングに戻る 「シバ、ちんぽも舐めてやろうか」 「うっせえ」 「なぁなんで俺が送った枕そこにあんの?」 と、リビングの端っこに畳んである しずくの布団の上にある 大きな抱き枕を指さした 「あげた。しずくに」 「なんで?俺お前に送ったんだけど」 「俺、自分で買ったばっかだし。つかしずくに聞いたんだろ。送ってくんな」 「俺が昔買ったやつは?」 「………まだ、あるけど」 と、いうとにやっと笑われてムカついた 「ふーん、シバ、ちんぽ拭いてやるよ。おいで」 「……自分でできるから早くじゃーまんぽてと作れよ」

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