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第38話(しずく)

「なに、まだ起きてたの」 『あ、えっと、寝れなくて』 「腹減ってる?」 『え?いま1時すぎてるけど』 「寿司、持って帰ってきた」 『…なんで?』 「つむ、食うかなって思って」 『くう』 明日胃もたれしそうだけど 寿司だからさっぱりしてるからもたれないか お寿司食べてきたんだ、さすが社長と思いながらも 出されたのは意外にチェーン店のお寿司だったけど ありがたくざんまいする 『祈織さん酒飲んでる?』 「んんー、ちょっとだけ」 『珍しいね』 「飲まされたんだよ、社長とだったから」 どれくらい、飲んだのかな? そんな顔は赤くないからちょっとしか飲んでないのかな、 祈織さん、自分がお酒飲むとおねしょしちゃう事知ってるからそんなたくさん飲まないだろうし おれはせっかく祈織さんが持って帰ってきてくれた寿司を口に運ぶ 『まぐろは?』 「おれ、サーモン派だけど」 『…そうなんだ』 いささか、内容に偏りがある気もするけど… 『これ、祈織さんセレクト?』 「うん、好きなやつだけにした」 『まぐろとかは?食えないってこと?』 「元から生のお魚苦手でさー。でも最近結構食えるようになってきて。今はえんがわがすき」 『へぇ、』 なんか祈織さんってたまに女子高生みたいな言い方するよな まぁ、だからこのお寿司の詰め合わせは サーモンとえんがわがいっぱい入ってるんだ 『祈織さんいくら食べる?』 「好きじゃねえの?」 『魚卵系ちょっと苦手で』 「ぇぇえ、もったいな」 おれからしたらまぐろ食べれないのもったいないけど… 『お寿司たべたの?美味しかった』 「うん、まあ美味しかった。本当は高いやつ食いたかったんだけど」 『お寿司って高いじゃん』 「じゃなくてチェーン店じゃないやつ」 『ぜいたくー』 お寿司自体ぜいたく品だから 普通にチェーン店もおいしいのに 「あー、つかれた」 と、祈織さんはソファに寝っ転がる 『寝るならお風呂入ったら?それかもう部屋いけば?つかおしっこしてから寝ないとおねしょしちゃうよ』 「んー、さっき入ったばっかりだから明日でいいや」 『んんん?』 「あー、んー、うん…」 『どこで、おふろ入ったの』 「…会社だよ、シャワー浴びてきただけ」 『そっか』 と、言ったけど 気になって仕方ない 本当に会社で浴びたのか 浴びたならなんで会社でシャワー浴びるような事態になったのか どういう事か わからない、 社長と一緒だったと考えるとわかりたくない もやもやする、 めちゃくちゃ色々聞きたい でもうるさいって思われたくなくて なんにも聞けないでいた 祈織さんはもううとうとしていて ソファでそのまま寝そうだった 『祈織さん、しわくちゃになるよ、スーツ』 「んんん、ほっといて」 『えええ、下だけでも脱げば。ベルトきついでしょ』 「んんー、むりい」 と、祈織さんはもう寝ていたからベルトを緩めてから下を脱がす するする、と脚からズボンを抜いて シワにならないように ソファの端っこに掛ける 「さむ、…」 祈織さんは体勢を変えたあと すぐに眠りについてしまった なんか毛布かなんかかけてあげよう、と 毛布を取って脚からかけると 『あれ、』 太ももの、 内側に赤い点 しかも3つ、 しかも限りなく祈織さんの中心に近い位置 これって…もしかして もしかしなくても、 いや、 虫に刺されたのかも だって、そんな所 『祈織さん、服脱がしていい?』 と、聞いたけど 寝ているからもちろん返事なんかしなくて だからかってにワイシャツのボタンを外してい ぷち、ぷち、と1個ずつ ゆっくり外しているとなんだか悪いことをしている気分だけど いや、決していいことじゃないけど 全てボタンを外しワイシャツを脱がすと インナーのシャツを祈織さんはちゃんと着ていて 肌はそんな見えない けど、シャツ越しに ぷっくりと乳首が立っているのがみえる 白いシャツだから うっすらと祈織さんの乳首の色も透けていて 『ち、くび、』 ぷっくりしてる すごく、たって見える 『触っていいですか?』 と、もちろん返事はないけど シャツ越しに、クリ、と指でつつく 硬い、 やっぱり乳首勃起してる こりこり、と硬いそれを 人差し指で転がして ぷにゅぷにゅ潰して捏ねていると 「んん、…やめ、」 と、ほぼ目は開いていないけど 手を掴まれて止められる そして、 うっすらと目を開いて俺の事を捉えた 『祈織さん?ちくび、たってる』 「びんかんに、なってるから…触んな」 と、祈織さんは毛布を胸元まで抱き寄せて隠して寝ようとする 『なんで、敏感になってんの?』 「…うっさいなあ。寝させろ。おやすみ、しずく」 と、のそのそと起き上がり 寝室に向かってしまった パタン、と素っ気なく閉まった祈織さんの寝室のドア、 眠いだけかもしれないけど 拒絶された気分になって 悲しくなってしまった 『…おやすみなさい、』 起きたら、色々聞いていいですか?

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