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第49話(しずく)

祈織さんがお家に帰ってこない 昨日の夜も あきらくんとごはん食べるからそのままあきらくんのところ泊まる と、急に連絡がきて その前に 明日の送迎、あきらくんが代わってって言うんだけどいい?と言われ いいよって言ったけど その前にだ、 あきらくんって誰 そんな事を思いながら 駅前の待ち合わせの場所に行くと 祈織さんのともガタイいいおっさんのとも違う 社用車が迎えに来ていた 「よー、しずく。いおりんに代わってもらっちゃってごめんねー」 と、めちゃくちゃフレンドリーな人が手を振ってきて車に乗せてくれる 『え、えっと、しずくです』 なに、いおりんって 「うん。おれ新月彰。初めましてだよね?」 『はい、たぶんそう』 本当にはじめましてなのかなってくらいフレンドリーでおれの頭が混乱する 「今日オレ、夜中からどうしても実家帰らなきゃ行けなくてさー、あ、ひいじいちゃんの11回忌なんだけどね?それでいおりんに代わってもらったんだ」 『うん、』 「あ、今日の人田村さんね。見た目怖いけど優しいよー。ヤーさんみたいな顔してっけど。今日は女装コース入れてるけど良いでしょ?」 『え、そんなの入ってたの』 「田村さん男の娘が好きなんだよねー。がんばれ」 と、サラッと言われた 「しずくって何歳なの?18くらい?」 『えっと、23』 「へえ、しずくって子どもみたいな顔してんだね」 『そうかな、』 「しずくっていおりんと一緒に住んでるんでしょ?」 『うん、えっと、あきらくんは、祈織さんと仲良いの?』 「そうだよー、俺のこと聞いてない?いおりんとオレ親友なんだよ」 『えっと、嘘』 「なんで?オレいおりんと仲良しだよ。昨日も一緒にお昼寝したし」 『え?おひるね?なんで?』 「いおりん疲れてたっぽいしさー。昨日の夜も飲みに行ってそのままオレんとこ泊まったし」 『えっと、あきらくんは、祈織さんのことすきなの?』 「ん?なんでそうなるのかな?オレいおりんとは親友って言ったじゃん」 『しんゆう、』 「いおりんとは10年くらいの付き合いだけどエッチした事ないよ?」 『そ、そうなんだ、』 「まぁオレもいおりんもネコだしねー」 『それは、でも、』 「まぁ、オレもいおりんもバイとかゲイ気味なのになんにも無かったって結構奇跡だよね」 『本当に、なんもないの?』 何だこの人、 びっくりするぐらい ペースが掴めない 「まぁじゃれ合い程度にちんこ触ったり舐めさせたこととかはあるよ?でも別にそんなの友達とかならやるじゃん?」 『えっと、そうだっけ、』 貞操観念緩いのかな なんかサラッとちんこ舐めさせたとか言わなかった? 「しずくはいおりん好きなんだねー。ゲイなの?」 『えっと、そういうの、よくわかんない』 「そっか、いおりんと同じだね」 『祈織さんは、社長が好きで、』 「まぁ、オレは誰が誰好きでもいいと思うけどね。好きって気持ちってどうもなんないじゃん?」 『うん、そうかも』 「まあ、オレは柳瀬さんが好きだからいおりんの事は安心していいよ」 『え、そうなの!?』 「うん。でも柳瀬さんめっちゃストレートだからさー。今彼女いるし」 『え?え?なんか情報多すぎ』 「まぁ、オレはいおりんと友達だから気にしなくていいよ」 『えっと、うん、』 そうなんだ、 好きじゃないんだよね?とちょっと混乱する 「そーいえばいおりん仕事辞めるんだってね、昨日聞いたんだよね」 『あー、うん。本当に辞めるのかな』 「うん、一応辞めるってのは決めてるみたいだねー。だからしずくも早くお金貯めようとして最近シフト増やしてんじゃないの?」 『いや、おれは…それもあるけど。ちゃんとお金貯めて、祈織さんのお家出ようとおもって』 「そうなの?なんで?一緒に住んでた方がいつも一緒に入れて好きな時にえろいことできるんだからそっちの方がいいじゃん」 『えっと、違くない?おれは祈織さんにちゃんと対等に見てほしいからまずはちゃんと自分でお家借りて、ちゃんと生きてこうって思うんだけど…』 「そーなんだ、しずくって意外に偉いんだねー。んー、なんかデジャブな気もするけどいいんじゃない?」 『デジャブ?』 「んー、まぁいいや。しずくー、今日終わったら一緒に飯いこ」 と、ホテルに着き おれが車から降りる時に一緒に降りたあきらくん 『え?いや、夜時間ないんじゃないの?』 「新幹線の出発時間まで地味に時間余るからさー、いいじゃん。行こ。だからオンタイムでホテル出れるようにちゃっちゃと漏らしちゃってね」 はいこれ、と渡された紙袋を見ると ヒラヒラのメイド服が入っていた 「あれ、しずくはこれ着たことある?」 『えっと、ない』 「あー、じゃあ難しいと思うから着るの手伝ってあげるよ」 一緒に部屋行こーと あきらくんは付いてきて 部屋に行くと服を脱ぐように言われて 恥ずかしいから背中を向いて服を脱ぐと着る順番に服を渡してくれる 「背中チャック上げるね」 と、背中のファスナーを上げてくれて 後でエプロンをリボン結びしてくれる 長い、如何にもメイドさんの靴下も履かされて 『え、今さらながらめっちゃ恥ずかしいんだけど』 『なんで?似合う似合う』 ほれ、とカチューシャも付けてくれて 着替え終わったかな、と思ったら 前にしゃがんだあきらくんに ぴら、とスカートを捲られる 『ひ、え、な、なに?』 「何って、パンツ?」 と、パンツを下げられて 『え!や、え?』 「こっち履こうね」 と、ぴらん、と渡されたのは 紐が着いた ヒラヒラのパンツまで 『え、履くの、おれ、これ』 「大丈夫だよ。こんなんだけどちゃんと、男用だから玉も収まるよー」 ほら、と脚を掴まれたから脚を上げると その恥ずかしいパンツを通されて 上まであげられる 『お、おれ、こんなの、履きたくない』 「なんで?だってかわいい服着てんのにボクサーパンツ履いてたらへんじゃん?あ、しずくここの毛ちゃんと処理してんの?薄いね」 『し、してない』 「ふーん、じゃあ元からうすいんだ。いおりんも元から薄いけどちゃんと整えてんだよー。エロいよね」 と、恥ずかしい情報までもらって ぴちぴち、とパンツを上まで上げられると 恥ずかしいし 締め付けられてくい込む感じが余計に恥ずかしかった 「しずくはちんこちっさいねー?女の子向きだね」 『しょ、しょうが無いじゃん、』 「よし、お着替えおわり。じゃあ終わったら連絡してねー」 と、あきらくんは部屋から出ていってしまった 女装オプションって…めっちゃ恥ずかしいじゃん

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