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第54話(祈織)

「んんん、」 案外悪くなかった つっこむのも なんだかんだおれ男だしな つっこむの気持ちいいんだよなぁ つむに余裕なくてかっこ悪い姿見せたかも 隣で寝てるつむのほっぺたを撫でると むむむ、と眉間に皺を寄せたから 人差し指で伸ばしてやった あいつといる時は思った事無かったけど つむにはかっこ悪い姿見せたくないんだよなあ 「つむ、すきだよ、」 と、伸ばした眉間にキスをする 『ふへぇ、』 と、つむぎは情けない声を出して頭が悪そうな顔をして寝ていた 今日は久しぶりに寝れるかな と、つむぎに抱き着いて うとうとし始めた時だ じゅわわ、と下半身の辺りが熱くなり 眠れそうだったのにいっきに目が覚めて がばりと起き上がった 「っ、」 やば、出たかも と、いっしゅん思ったけど 布団を跳ね除けると しょろしょろとつむぎの中心から水が溢れだしている事に気付く 「おれじゃ、無かった」 思わず、ため息を吐いた 最近、毎日のように おねしょをしてしまって あきらくんと寝た時もしちゃったから俺だったと思った 「つむぅ、出てるよ」 と、つむの事を揺すっても起きなくて もういいや、とそのまま放置して せっかくうとうとしてたのに 目が覚めてしまったからシャワーを浴びた シャワーを浴びた後も 寝たいのに眠れなくて ソファのクッションに抱き着いたけど もやもやがどうしようも無くなったから 家を飛び出した ◇◆ ピンポンピンポン と、オートロックの前でインターフォンを連打すると 無言でオートロックのドアが開いたから その中に入って上の階に向かうと エレベーターが階に着いたと同時に 「てめえ、何時だと思ってんだよ」 と、部屋のドアが開いたから無言で中に入った 「つか合鍵持ってんだろ、使えよ」 「無くした」 「は?ふざけんな、キーケース見せろ」 「嘘だよ、持ってる」 と、リビングまで行くと いつもの匂いがして落ち着いて、 そのままソファに座る 「なに、こんな深夜に何しに来たの?」 「寝れない」 「は?知らねえよ」 「寝れないから来たんだけど」 「なんで来るんだよ」 だって、1人じゃどうしようも無かったんだもん 「なに?する?」 「しない、おれさっきまでつむぎとしてたし」 「は!?」 「一緒に寝るだけ、寝て」 「ふっざけんなよ、なに。あのちびっことやったって」 と、ドン、と壁を叩く なんで怒るんだよ、お前が 「だって、つむがやりたいって」 「シバ、やりたいって言われたら誰とでもやんのかよ」 「……違うけど」 「確かあきらくんのことフェラしたことあったよな?」 「今関係ねえじゃん」 なんで、怒られなきゃいけないんだ おれは寝れないから来ただけなのに 「なぁ、寝よ。一緒に」 「なんで、」 「お前から離れるって決めて、仕事辞めるって決めてから…寝れなくなったから」 「は?」 「寝よ」 と、いうと はぁ、とため息を吐いた 「シバ、お前もうデカくて俺お前のこと抱っこできねえよ」 「やだ、して」 「おいで」 と、手を伸ばしてくれたから その腕の中に飛び込んで抱きつくと よっこいしょ、とおっさんみたいなことを言いながらおれのことを持ち上げてくれる 「おっも」 「衰えたんじゃん」 「間違えなくお前がでかくなってんだろ。ハタチ過ぎてんのにグイグイ身長伸ばしやがって」 と、文句をいいながら寝室におれを連れて行ってくれて ベッドに下ろして はぁ、とため息をついた でもおれは離さないで そのまま首に手を回し グリグリと頭を擦り付けた いいにおいする、こいつ おれの好きな匂い 「なに、シバ。どうした?」 「寝たいのに、」 寝れねえんだよ おれをベッドに入れてくれて よしよしと背中を撫でてくれてたけど 1度手が止まった そして少し考えた後に 「シバ、おねしょする?」 と、聞かれ 恥ずかしくなったけど こいつの前では今更だった 「するかも、」 「おむつあったかなー、うち」 と、 ベッドから出ていってしまった 「やだ、いくな」 「すぐ戻るから」 と、リビングの方に行ってしまって もやもやがどうにもなんなくて 枕に抱きついた おれといっしょに住んでた時は ベッドのすぐしたにおれのおむつセット置いてたのに、 「あったあった、テープのやつだけどいい?」 と、手におむつを持って戻ってくる 「やだ、」 「やじゃねえだろ」 と、下着とスウェットを そのままズルズルと脱がされて かってにおむつを付けてこようとするから 見たくなくて枕で顔を隠す 「ほら、できた」 と、スウェットを履かせてくれる やだって言ったのに、とそのまま転がって背中を向けると すぐ俺の隣に入ってきて 背中から抱きしめてくれる そして、耳元で 「シバ」 「なに、」 「枕、返して」 と、いうから 無言で枕を投げてやる なんだよ、耳元で言うなよ 「シバ、おいで。抱きつくもん無いと寝れねえだろ」 「枕、持ってくんの忘れた」 「わざとだろ」 と、言われたけど 仕方なく 腕の中に入ってやると ようやく抱きつくもんがあるからか いつものお気に入りの枕に抱きつくよりも安心した 眠くなるリズムで背中を撫でられるとうとうとする 何やってんだろ、俺 あー、これ寝ちゃう 寝ちゃうやつだ むかつくけど、 こいつの腕のなかにいると なんにも考えなくて良くなるのが ものすごく心地いい

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