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4 大切な話
ソファーに座り携帯の画面を見つめたままどうしたものか考えていると、いつの間にかシャワーを終えた優吾さんが俺の隣に腰を下ろす。一目で上質だとわかる真っ白なホテルのルームウェアに身を包んだ優吾さんはいつもより割り増しで色っぽく見えて、またドキドキしてしまった。
「どうしたの? 俺との大事な時間にどこかに電話?」
わざとらしくそう言って笑い、肩を抱き寄せ俺の頬にキスをする。ふわっと香ったシャンプーの匂いに、思わず俺は優吾さんの首筋に鼻を寄せた。
「ごめん、ちょっとばあちゃんに連絡しようと思って……でもなんて言ったらいいのか」
そのままの姿勢でそう言ったら、優吾さんに携帯電話を取り上げられてしまった。
「……ええ、そうなんですよ……はい。ご連絡遅くなり申し訳有りません。はい、お気になさらず。はい……ははっ、大丈夫ですよ。公敬君はとても礼儀正しいですよ。ええ、ちゃんと責任を持って送り届けますので、はい、はい失礼致します」
優吾さんはサラッと祖母に連絡をしてくれ、俺の勉強をみてるうちに遅くなったからとか何とか言いながら、俺の外泊のことを伝えてくれた。
「……何が勉強だよ。優吾さんのウソつき」
携帯をテーブルに置き、俺は優吾さんにもたれかかる。これで心置きなく好きな人と一緒に過ごせる、そう思ったら嬉しくて胸がキュッとなる。浮かれて勝手にニヤついてしまうそんな自分がちょっと気持ち悪かった。
「いや、嘘じゃないよ。社会勉強……的な?」
「何だよそれ、可笑しい」
優吾さんに抱きつかれ、またキスをされる。そんなにキスばっかしてたら変な気分になっちゃうじゃん。今日は何もしないって言ったよね?
……俺だって男なんだよ。
「ゆ、優吾さん……離して。俺……エッチな気分になっちゃうから」
なかなか離してくれそうになかったので、堪らず俺は優吾さんを押し退ける。キョトンとした優吾さんはそんな俺を見て悪戯っぽく笑った。
「ごめんごめん、本当に君は可愛いな。シャワー浴びておいで。その後ちょっと話をしよう」
フワッと俺の頭を撫で「バスルームはあっちだよ」と軽く手を添え行って来いと促す。優吾さんとまだちょっとイチャイチャしていたかったけど、行けと言われちゃしょうがないから俺はバスルームに向かった。
でも話って何だろう?
さっき大事な話があるって言ってたよな。雰囲気からして嫌な話ではなさそうだけど、それでも何も心当たりがないから何を言われるのかちょっと怖かった。
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