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11 恋バナ

「………… 」 「なんだよー! こういう時は彼女との馴れ初めとか打ち明けてくれるんじゃねえの? なんで黙ってポテト食ってんだよ、つまんねえな。恋バナしようぜ!……ってか早く聞かせろ!」  やっぱりそういうことになるよな。興味津々で、身を乗り出しながら「早く話せ」とせっついてくる。  晋哉になら相談したり話したりしてもいいとは思うけど、相手は同じ男だということは伏せて上手く話せるだろうか。もしかしたらこいつのこの性格だ。正直に話しても偏見とかなくすんなり受け入れてくれるのかもしれない。  それでもやっぱり怖いから言えなかった。  こんな事で友達を失うのは嫌だ。同級生の友達なんていらない……と言うのはただの強がりだ。友達という存在の心地よさを知ってしまえば、やはりそれを失うことは怖かった。 「でもそんなに話せる事、ないかも」 「そっか! じゃあさ、俺が色々聞いていい?」  晋哉の目がキラキラしている。騙してしまうことになるのが少し後ろめたかったけど、俺は笑顔で頷いた。 「ん〜、じゃあ写真! 写メとかないの?」  いきなり無理な質問だった。見せられるはずがない。もとより写真なんかない。 「ごめん……写真無いんだ。写メ撮ったことない」 「おお……そっか、なんかごめんな。じゃあさ、彼女の歳は? 何歳上なん? 可愛い系? 美人系?……俺はねぇ、そうだな、可愛い系がタイプ。おっぱいは程々にあれば贅沢言わねえよ。あんま痩せてんのはダメだ。何でも程よいのがいいと思わねえ?」  ちょいちょい自分のタイプを挟んでくるから可笑しくて自然と顔が綻ぶ。とりあえず晋哉の話に相槌を打つ。女のタイプなんてわからないし、なんて言っていいのかわからないから。 「で? 何歳なんだよ。もしかして歳も知らねえの?」 「いや……知ってる。確か六歳上。俺と誕生日が近いから今度一緒に祝えるねって……」  優吾さんは格好いいし大人っぽい。俺より六つも上なんだからしょうがないんだろうけど、年の差を口に出すと自分がガキなんだと余計に実感するからあんまり言いたくなかった。 「わぉ……思ってたより上だった。なんか凄えな。やっぱり可愛いの?」 「……可愛いっていうよりカッコいい? かな。大人っぽくて頼りになるし……甘えたくなる」  俺の話を聞いてる晋哉の方が顔を赤くしている。晋哉が思う俺の恋人のイメージが固まったらしい。美人でクールな仕事のできるお姉さんだって。そして彼女の前でだと甘えん坊になってる俺があざとくてムカつくって睨まれた。勝手な想像で怒らないでほしい。  それからどうやって知り合ったのか、告白はどっちからしたのか、色々と聞かれた。俺は優吾さんとの出会いを思い返しながら、差し障りのない程度に少しずつ話すことにした──

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