96 / 128
96 お互い初めて
マサをベッドに寝かせるとそのまま俺は抱きつくようにして体を重ねた。自然と顔をマサに寄せキスをしようと指先を唇に触れさせる。
「キスは……してもいい?」
一応思いを寄せる人がいるのだから、勝手にキスなんかしちゃダメかと思ってそう聞いた。マサはキョトンとしながら、ふふっと小さく笑う。
「安田さんって意外に可愛いこと言うんだね。ありがとう……うん、口にキスはダメ……かな。ごめん」
少しはリラックスできただろうか。マサの笑顔を見てちょっとホッとした。
「なら……唇以外で、ね」
俺はそう言いながらマサの首筋に顔を埋める。俺がマサの首や頬にキスを落とす度にピクッと体を震わせるのが心地良い。俺の行為で少しずつ解れていくマサの心と体を見て、支配欲や征服欲のようなものが沸々と湧いてくるのがわかった。
「う……わ、なんか……凄い……あっ……ああ……安田さん……そこ、変だ…… 」
俺の指がマサの中に沈んでいく。自分が過去にそうされてきたように、探るようにマサの気持ちの良い場所を求めて指を動かす。なまじその快感を知っているせいか、俺のわずかな動きでマサが反応を見せると、同じように自分も気持ちが良くなるような気がした。
もう充分に解れたマサのアナルに俺は滾ったものを押し付ける。今までに感じたことのない変な緊張感で、ちゃんとできるか不安になった。目の前で全てを晒し、期待したような目で俺を見上げているマサに、こんな情けないことを考えているのが申し訳なくなってしまう。
「……ごめん、ちょっとダメ……かも」
さっきまで痛いくらいに勃起していたのに、ちょっと不安に思っただけでその硬い芯が萎えていくのがわかった。これはマサのせいじゃない。初めてなのに、俺がしっかりしなくてどうするんだ……初めて挿入される時のあの不安と恐怖は知っている。それでもこうやって俺に委ねてくれているのに何をやってんだ。そう焦れば焦るほど、もうどうしようもなく熱が消えていってしまった。
「安田さん? 大丈夫だよ……」
マサは両手を広げ、俺のことを軽く抱きしめる。自分もだけど、俺だって初めてのことなんだから緊張するのは当たり前だと言って笑ってくれた。
「え……? マサ?」
マサはスッと起き上がると俺の横に体を倒す。萎えてしまった俺のぺニスに顔を近付けそこにキスをする。恐る恐る口を開き、そのまま柔らかくそれを咥えた。初めてだというのにぎこちなくも一生懸命に俺のことを奉仕するマサの姿を見て、消えかけてしまった支配欲が蘇る。萎えてしまっていたそこはすぐにまた芯を持ち、体の奥から熱くなった。俺は堪らずマサの頭を押さえ込み、その喉奥にその滾りを押し付けた。
ともだちにシェアしよう!